初代は欧州市場ベストセラー 新型 フォルクスワーゲンTロック(1) 全長139mm拡大でCセグライバルに対抗 ゴルフより25%広い荷室

公開 : 2026.06.30 18:05

潤沢な予算を伺わせる進化を遂げた、新型 フォルクスワーゲンTロック。1.5Lか2.0Lエンジンのハイブリッドで、多くのドライバーが共感できる操縦性を獲得し、上質な内装も強みです。UK編集部が試乗します。

開発予算の潤沢さを伺わせる進化

2017年の登場以来、欧州市場ではどんなモデルより長い期間で販売数トップに君臨してきた、初代フォルクスワーゲンTロック。その成功を再び掴むべく、開発予算の潤沢さを伺わせる進化を遂げた、2代目が登場した。

洗練度を高めたインテリアや、高度な運転支援システム、自然な操縦性に向上した燃費、格上ティグアンとの技術共有など、触れるべき部分は多い。今回は、1.5Lマイルド・ハイブリッドのeTSIで、その実力に迫ってみよう。

フォルクスワーゲンTロック 1.5 eTSI 150ライフ(英国仕様)
フォルクスワーゲンTロック 1.5 eTSI 150ライフ(英国仕様)

Tロックが該当するCセグメント・クロスオーバーは、英国でも売れ筋。2025年の販売数でトップ10車種の内、6モデルがそこへ含まれている。競争は熾烈といえる。

初代は競合より小柄な側にあり、シルエットは背が高めのハッチバックへ近かった。2代目は139mm長くなりつつ、スタイリッシュな雰囲気は変わらず。ガラスエリアが低く、テールゲードは強く傾斜する。視覚的な特徴は、初代の方が強かったかもしれないが。

2代目はすべて4気筒エンジンのハイブリッド

2代目Tロックは、すべてが4気筒エンジンのハイブリッド。マイルドには、電圧48Vのスターター・ジェネレーター(ISG)が組まれ、1.5 eTSIでは115psか150psの2段階。2026年後半に追加予定の2.0 eTSIでは、203psか330psの最高出力が設定される。

1.5Lエンジンを搭載しつつ、主な走行は電気モーターが担うフル・ハイブリッドも控えており、こちらは135psか170psの2段階。プラグインの設定はない。

フォルクスワーゲンTロック 1.5 eTSI 150ライフ(英国仕様)
フォルクスワーゲンTロック 1.5 eTSI 150ライフ(英国仕様)

プラットフォームは、同ブランドのパサートやティグアン、アウディQ3なども採用する、MQBエボ。エンジンは横置きされ、1.5 eTSIでは7速デュアルクラッチATが組まれる。基本は前輪駆動だが、一部に四輪駆動も用意される。

英国価格は、115psの1.5 eTSI ライフで約3万2000ポンド(約672万円)から。若干だが、お高めな側にある。150psの試乗車は、3万3700ポンド(約708万円)だった。

飾りすぎない造形と上質な雰囲気

車内空間は、前席、後席ともに現行ゴルフと同等の広さ。それでも高さ方向に余裕があり、シートの位置が僅かに上で目線も高いため、より広々とした印象を受ける。

前席側には、コンフォート・シートが標準で備わる。調整域が広く、ランバーサポートは電動で張り具合を変えられ、とても快適。後席側は、前席の座面下につま先を入れられ、平均的な大人なら不満なく過ごせるはず。

フォルクスワーゲンTロック 1.5 eTSI 150ライフ(英国仕様)
フォルクスワーゲンTロック 1.5 eTSI 150ライフ(英国仕様)

フォルクスワーゲンは、かつての価値観への回帰を目指したと主張するが、飾りすぎない造形と上質な雰囲気はその表れだろう。安っぽく見える樹脂製部品は殆どなく、スイッチ類はソリッド。余計な装飾がないのも、ドイツ的で好ましい。

試乗車はベースグレードのライフで、ブラックのシートは落ち着き過ぎかもしれないが、ファブリックが覆うダッシュボードは好印象。自宅のような居心地の良さがある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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