ギャレット・ターボで550psの「スキャットパック」 ダッジ・チャージャー・シックスパック(2) 四輪駆動が叶える豪快な加速

公開 : 2026.10.09 18:10

EV版の不振を挽回すべく誕生した、直6エンジン版のダッジ・チャージャー・シックスパック。次期アルファ・ロメオ・ジュリアも採用予定のプラットフォームと四輪駆動で叶えた豪快な加速を、UK編集部が北米で味わいます。

シックスパックは3.0L「ハリケーン」ツインターボ

ダッジ・チャージャー・シックスパックは巨大。全長5248mm、全幅2027mm、全高1499mmと、実はメルセデス・ベンツ Sクラスより大きい。だが不思議なことに、そこまで大きくは見えない。適度な締まりがあり、ひと回り小さく映る。

マッスルカーは、連続するカーブを攻めるのではなく、ドラッグレースで速さを披露することへ主眼が置かれている。BMW M5のライバルではない。V8エンジン版も登場予定だが、直列6気筒エンジンへのシフトは、そんなクルマにとって劇的な変化といえる。

ダッジ・チャージャー・シックスパック・スキャットパック 2ドア(北米仕様)
ダッジ・チャージャー・シックスパック・スキャットパック 2ドア(北米仕様)

チャージャー・シックスパックのボンネット内に収まるのは、3.0L「ハリケーン」ユニット。2基のターボで過給され、最高出力と最大トルクは、通常のH/O仕様で420psと64.5kg-m。試乗したスキャットパックでは、550psと73.2kg-mへ上昇する。

トランスミッションは、8速オートマティックのみ。ただし後輪駆動ではなく、トルク配分はリア寄りだが、四輪駆動が標準となる。ラインロック機能を使えば、フロントアクスルを分離し、リアタイヤのバーンナウトもできる。

スキャットパックは大径ギャレット社製ユニット

筆者は、10年ほど前にV8エンジンのダッジへ試乗しているが、記憶の中心にあるのはヘミ・ユニット。その存在感は、半端ないものだった。対して直6ツインターボの主張は、さほど強烈なものではない。

H/O仕様では小径のターボが2基なのに対し、スキャットパックは別物。大径のギャレット社製ユニットが2基組まれ、高域まで痛快に回る。低域トルクも太く、図太い咆哮を放ち、音響的にも素晴らしい。しかし、もう少しの荒っぽさが欲しくなる。

ダッジ・チャージャー・シックスパック・スキャットパック 2ドア(北米仕様)
ダッジ・チャージャー・シックスパック・スキャットパック 2ドア(北米仕様)

アルファ・ロメオ・ジュリア・クアドリフォリオが積むV6ツインターボなら、と想像しなくもない。ヘミ・ユニットを押し込む余地は、エンジンルームに残されているが。

市街地を流していると、8速ATの変速が若干ギクシャクしがちなことに気付く。ステアリングホイールへ伝わる感触は、もう少し濃くてもいい。とはいえ、どちらも些細な弱点。受け入れられる範囲にある。

四輪駆動システムが叶える豪快な加速

シャシーは洗練度が高められ、操縦性は直感的。サスペンションは、前がマルチリンク式、後ろがインテグラルリンク式で、デュアルバルブの可変式ダンパーが組まれている。それでも、マッスルカーとして姿勢制御が追求されたわけではない。

豪快に加速できることの方が、チャージャーでは重要になる。四輪駆動システムがしっかり路面へパワーを伝え、見事なダッシュを披露する。スリップと完全に無縁ではないが、むしろ面白さを高める挙動といえ、手に負えなくなる不安は伴わない。

ダッジ・チャージャー・シックスパック・スキャットパック 2ドア(北米仕様)
ダッジ・チャージャー・シックスパック・スキャットパック 2ドア(北米仕様)

スタイリングは抜群で、エンジンは上出来。8速ATとステアリングは、まあまあ。いかにもマッスルカーらしいバランスだが、不思議なほど欲しいと思わせる力がある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    役職:編集者
    自動車業界で10年以上の経験を持つ。欧州COTYの審査員でもある。AUTOCARでは2009年以来、さまざまな役職を歴任。2017年より現職の編集者を務め、印刷版、オンライン版、SNS、動画、ポッドキャストなど、全コンテンツを統括している。業界の経営幹部たちには定期的にインタビューを行い、彼らのストーリーを伝えるとともに、その責任を問うている。これまで運転した中で最高のクルマは、フェラーリ488ピスタ。また、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにも愛着がある。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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