ポルシェ911 GT3ツーリングと過ごした4週間(1) UK編集部が新車の仕様をセレクト 目指したのはフェリー理想の姿 PDKかMTで悩む

公開 : 2026.10.14 18:05

感謝の気持と同時に別れの寂しさがよぎる

軽量ガラスが組まれ22kg減量できる、ライトバウ・パッケージは選ばなかった。長距離走行時の、快適性を求めて。マグネシウム製ホイールのガリキズを、常に恐れながら運転するのは気持ち良くない。しかも、コイーバ・レザー内装を指定できなくなる。

運転席で気付いたのは、ドライバー監視カメラが意外と目立つこと。カーボン製ボンネットの裏側が、僅かに見えるのがうれしい。広報担当者が慣らし運転を済ませており、オドメーターは約1600kmを指している。7000rpm以下が保たれたはず。

自分のガレージへポルシェ911 GT3ツーリングを迎え入れるという、特別感
自分のガレージへポルシェ911 GT3ツーリングを迎え入れるという、特別感

筆者が一緒に過ごせる時間は、4週間。感謝の気持と同時に、既に別れの寂しさがよぎる。少なくとも、ドライブトレインが馴染んでいく様子は堪能できる。

個人的には5000rpm前後も大好物

高速道路のM4号線を東へ走る途中で、1つのことを確信した。最後まで、気疲れしなそうだということを。クラッチペダルは軽く扱いやすく、911 S/Tより格段に繋ぎやすい。シフトノブも極めて滑らかで、遊びが少ない。従来的な手応えまでではないが。

刺激的な911 S/Tと共通するのが、ファイナルレシオ。2速でレッドラインまで回した時の速度は、130km/hから119km/hへ落ちている。9000rpmを味わうことへ価値を見出すドライバーにとって、喜ばしい設定といえる。

リアシートを倒せば、使える荷室を生み出せる
リアシートを倒せば、使える荷室を生み出せる

個人的には、5000rpm前後も大好物。510psを繰り出すフラット6が本領を発揮し始め、魅惑的な吸気音が奏でられる。これこそ、この4.0Lユニットの醍醐味だ。エグゾーストで構える触媒の数が増え、ゾクゾクするような排気音ではないとしても。

4000rpmからの加速では、壮大な共鳴音が車内へ充満。淀みなく速度上昇し、リミット手前の1000rpmは吸い込まれるよう。他に例がないほど、相互関係が深い。

この続きは、ポルシェ911 GT3ツーリングと4週間(2)にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    役職:ロードテスト副編集長
    2017年よりAUTOCARでロードテストを担当。試乗するクルマは、少数生産のスポーツカーから大手メーカーの最新グローバル戦略車まで多岐にわたる。車両にテレメトリー機器を取り付け、各種性能値の測定も行う。フェラーリ296 GTBを運転してAUTOCARロードテストのラップタイムで最速記録を樹立したことが自慢。仕事以外では、8バルブのランチア・デルタ・インテグラーレ、初代フォード・フォーカスRS、初代ホンダ・インサイトなど、さまざまなクルマを所有してきた。これまで運転した中で最高のクルマは、ポルシェ911 R。扱いやすさと威圧感のなさに感服。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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