生命感を与える6速MT ポルシェ911 GT3ツーリングと過ごした4週間(2) ハイエンドスポーツとして際立つ軽さ ボディを貫く1本の硬い芯
公開 : 2026.10.14 18:10
AUTOCARが仕立てた、ポルシェ911 GT3ツーリング。目指すはフェリー・ポルシェ氏が理想としたであろう姿です。際立つ軽さに、駆動系へ生命感を与える6速MT。4週間に渡る日々を振り返ります。
もくじ
ーハイエンドスポーツとして際立つ軽さ
ードライブトレインへ生命感を与える6速MT
ーダンサーのように滑沢な身のこなし
ー不快な突き上げ感や硬さは殆どなし
ー主張しすぎないボディを貫く1本の硬い芯
ーポルシェ911 GT3ツーリング(992.2型/英国仕様)のスペック
ハイエンドスポーツとして際立つ軽さ
GTシルバーを筆者が指定したポルシェ911 GT3ツーリングでは、7速PDKではなく6速MTを組んだ。これが、4.0L水平対向6気筒エンジンの魅力を強める。
動力性能は、眼を見張るほど。テストコースで試したところ、5速に入れたまま、停止状態から257km/hまで加速してみせた。計測された車重は、ガソリンが満タンで1486kg。ゴージャスな内装を踏まえれば、称えるべき軽さといえる。

エアコン・レスのシリアスさだった、2010年のポルシェ997 RSより66kg重いだけ。2025年に計測した911 カレラGTS クーペは、リアシートを省いて1607kg。2026年仕様のGT3ツーリングが、ハイエンドスポーツとして際立つ軽さだとわかる。
ドライブトレインへ生命感を与える6速MT
距離を重ねるほど、シャシーもパワートレインも、他の911と一線を画すものだと明らかになる。特に自然吸気エンジンは、素晴らしいの一言だ。
6速MTは、ドライブトレインへ呼吸させるように、生命感を与えてくれる。心惹かれるワインディングでは、ドライバーがリズムを刻むように操れる。早朝の通勤では、心をなだめるように変速もできる。GT3ツーリングとの、一体感を深めるように。

エンジンの真価が発揮されるような領域では、タイヤのグリップ力やサスペンションの減衰特性の素晴らしさも見えてくる。992.2型では、ワダチでステアリングが取られることなく、圧巻なほど安定。挙動を乱す素振りは、まったくない。
タイヤは路面をヒタヒタ掴み、大きなうねりも意に介さない。510psという大パワーも、平然と受け止めているように思える。タイヤとシャシーの進化を、実感する。
ダンサーのように滑沢な身のこなし
こんなGT3ツーリングの才腕は、南フランスのコル・ド・レスピグリエ峠で際立った。低木林が広がる山岳地帯へ、うねるようにアスファルトが伸びる。カーブは変化に富み、長短様々なストレートが繋ぐ。平日の早朝は、まさにクルマ好きの楽園といえる。
運転へ没入するほど、精緻さと敏捷さへ魅了される。ステアリングの反応は、従来より若干マイルドになったが、フィーリングは極めてクリアでナチュラル。強い横Gがかかる状況ではシャシーが本領を発揮し、ダンサーのように滑沢に身をこなす。

一方、ブレーキを活用して意図的にリアへきっかけを与えない限り、カーブの出口まで滑らかにスライドを続けることは難しい。2速に入れて70km/h前後で旋回する場合、より細いタイヤを履くカレラGTSの方が、トルクは約20%も高いのだ。
公道では、パワーでシャシーを制圧するような走りへ興じにくい。そのかわり、クローズドコースで性格は一変。ドニントンパーク・サーキットでは、周囲を圧倒する速さを披露し、その後は平然と帰路へ就けた。AUTOCARの読者には、周知の事実だろう。


















































































































































