フォード・マスタング & トライアンフ・スタッグ(2) 予想外に頼もしいコーナリング 廉価モデル・ベースを巧妙に隠す
公開 : 2026.10.18 17:50
1970年代前半に生まれた、コンセプトが近似したフォード・マスタングとトライアンフ・スタッグ。V8エンジンを積んだ2+2のソフトトップでも個性は対極的です。UK編集部がその魅力を振り返ります。
もくじ
ー荒々しく転じず穏やかなV8サウンド
ー廉価モデル・ベースを巧妙に隠したスタイリング
ー41.4kg-mと最大トルクの太いスモールブロック
ーアイドリング時から排気音が勇ましい
ーグリップ力に長け頼もしくカーブを巡れる
ートライアンフ・スタッグとフォード・マスタング 2台のスペック
荒々しく転じず穏やかなV8サウンド
トライアンフ・スタッグの運転は、非常に安楽。ステアリングは適度にダイレクトで、ダンパーが程よく効いた乗り心地はしなやか。高めの速度域まで、安定性に優れる。
ボルグワーナー社製3速ATの変速も好ましい。不満ない発進加速を引き出しつつ、トップギアでは大らかに高速巡航できる、ギア比の設定も巧妙といえる。ブレーキは期待ほど効かないが、カーブが連続する郊外の道を、軽い駆け足で流すのが心地良い。

V8エンジンのサウンドは、アクセルペダルを踏み込んでも、荒々しく転じず穏やか。英国車らしい、気品を感じるハミングといえる。その気になれば轟音で周囲を威嚇する、フォード・マスタング・コンバーチブルとは対局的にある。
ステアリングは正確でも、ドライバーの気持ちを掻き立てるスポーツカーではない。ジェントルなマナーの、V8エンジンの魅力的なクルマ。実用性も悪くない。
廉価モデル・ベースを巧妙に隠したスタイリング
他方、レッドのマスタングは、グレートブリテン島には少し場違いかもしれない。デイブ・ダンモア氏の1970年式は、英国で正規販売されるより前の年式に当たる。ボディはひと回り小さく軽快で、運転体験では、初代後期より優れると評価されている。
マスタングの開発を率いたのは、後にフォードを率いるリー・アイアコッカ氏。全長180インチ(約4572mm)未満で、車重2500ポンド(1134kg)以下が目指された。

スタイリングは、購入の決定権を握っていた女性へ受けつつ、男性の心も掴む必要があった。デザイナーのジョー・オロス氏とL.デビッド・アッシュ氏は、廉価モデルだったファルコンがベースであることを巧妙に隠しつつ、素晴らしい個性を生み出した。
初代が1964年に発売される傍らで、ひと回り成長した次期型のデザイン開発も進められていた。ゲイル・ハルダーマン氏が担当したマスタングは、1967年に登場。1969年式では全長は約100mm伸ばされ、車重は約90kg増えていた。
41.4kg-mと最大トルクの太いスモールブロック
ところが、増強されたマッハ1やボス302といった仕様が設定されても、販売数は低下。拡大方向は見直され、1970年式では簡素化が図られる。ツインヘッドライトは攻撃的すぎると判断され、一対のみに。その両端には、スリットが与えられた。
リアフェンダーやテールライトも、穏やかな造形になったが、スタイリングは主張が強い。全長も全幅もスタッグより200mm前後大きいが、2台を並べると数字以上に大きく見える。アルミホイールは社外品でも、それ以外はオリジナルだ。

エンジンは、近年は最も人気の高いスチール製スモールブロックの302cu in。約4.9Lが生む最高出力は213psと控えめでも、最大トルクは41.4kg-mと太い。






























































































































