ニュルはポルシェ911 GT3 RSと3秒差 フォード・マスタング GTD(1) 歴代最も過激なポニー
公開 : 2026.01.16 18:05
ル・マンGT3マシンの公道版といえる、マスタング GTD スーパーチャージドV8で826ps 製造はマルチマティック社 大きなFRモデルでは想像できない積極性 UK編集部が北米で試乗
ル・マン活躍を目指したGT3のマスタング
10年前のフォードも、同じようなマスタングを考えていた。ル・マンで勝利し、販売を後押しできる特別仕様を構想するが、GTEカテゴリーにボディは大きすぎた。馬力と動的能力とのバランスが難しく、前面面積が最高速度を抑えた。
そこで生まれたのが、ミドシップ・スーパーカーのGT。全高はオリジナルのGT 40より僅かに高いだけで、速さは圧倒的で、耐久レースではパワーが絞られたほど。

しかし、経営陣のマスタングに対する思いは変わらなかった。ル・マンでの活躍を目指して誕生したのが、GT3クラスのマシン。車両開発にも関わったマルチマティック社のサスペンションが組まれ、トランスミッションはリアアクスル側へ移されていた。
果たして、2024年のル・マンでは3位入賞。翌年も表彰台は逃したが、完走している。
スーパーチャージドV8で826ps
今回試乗したのは、その偉業を称えるため作られた公道モデル。フォード版、ポルシェ911 GT3 RSと考えていい。GTDは、アメリカのIMSAレースのカテゴリーが由来だ。
フロントに載るのは、マスタングでは初となるドライサンプ潤滑を採用した5163cc V型8気筒エンジン。クロスプレーンクランクが組まれ、スーパーチャージャーが載り、いかにもアメリカンな轟音を放つ。そのボリュームへ少し怯む。

内部には鍛造アルミ製のピストンに、鍛造スチール製のコンロッドとクランクシャフトを採用。吸気系にはインタークーラーが与えられ、アクティブエグゾーストも備わる。後輪駆動だが、最高出力は826ps、最大トルクは91.4kg-mと相当に過激だ。
通常のマスタングは、位置付けとしては身近なスポーツクーペに違い。911とは異なり。その結果、改造はかなり広範囲に及ぶ。
製造はマルチマティック 可変式の空力システム
プラットフォームは基本的に量産車と同じだが、ホワイトボディの段階でマルチマティック社の工場へ運ばれる。ボディパネルはカーボン製。サスペンションは、前がダブルウイッシュボーン式で、リアがプッシュロッドを介したマルチリンク式になる。
ダンパーは、高度なASVスプールバルブ仕様。構造は複雑で、説明を聞くと筆者も頭痛を起こしそうだが、ダンパー自体でバネレートと車高を調整でき、トラック(サーキット)・モード時は40mm低く構えられる。ノーズリフト機能も付く。

8速デュアルクラッチATは、リアアクスル側。カーボン製プロペラシャフトでパワーは伝えられ、リミテッドスリップ・デフは電子制御される。前後の重量配分は、50:50の理想値。リアの荷室はないが、前席の後ろ側に充分な空間はある。
空力システムは可変式。リアウイングは必要に応じて角度を変え、ダウンフォースは最大885kgに達するとか。フロントには、スプリッターが容赦なく突き出ている。タイヤサイズは、前が325/30 R20で、後ろは345/30 R20。車重は1989kgある。

















































































































































