BMW、電動版『M3』プロトタイプ公開 開発中ガソリン版の「天敵」 Mモデルは累計100万台達成

公開 : 2026.10.07 07:25

走ることに特化したデザイン

BMW M部門のデザイナーであるマイケル・スカリー氏によると、新型M3ではプロポーションを重視しているという。

「新しいパワートレインでは、パッケージングの観点で考慮すべきことがまったく異なります。わたし達は、お客様が期待するプロポーション、すなわち非常に機敏でダイナミックなスタンスを備えた、極めてクラシックな『2.5ボックス』を実現するために取り組んできました」と同氏は語った。

BMW Mコンセプト・ノイエ・クラッセ
BMW Mコンセプト・ノイエ・クラッセ    BMW

スカリー氏はまた、将来のMモデルはより洗練され、無駄を省いた外観になることをほのめかした。

「クルマを真のパフォーマンスの本質にまで絞り込んでいます。この “還元主義” を賢く実践すれば、パフォーマンスの観点から本当に必要な要素だけを残すことができるのです。これはレースにおいて極めて重要であり、現在、量産モデルにおいても同様のアプローチを取っています」

スカリー氏は、レーシングカーの開発に携わってきた経験を、新型M3の設計に活かしている。その一例が、リアディフューザーだ。これは長年にわたりGT2およびGT3クラスに参戦してきたM3のレーシングカーから着想を得たものだという。

レーシングカーではサイドエグゾーストシステムを採用しており、ダウンフォースを生み出すために必要な大型ディフューザーを設置するスペースが確保されている。このアプローチを、エグゾーストパイプのないEVで再現したのだ。

レーシングカーの要素も取り入れる

スカリー氏は、Mコンセプト・ノイエ・クラッセのボンネットにあるモーター冷却用エアダクトについても、EVでなければこのデザインは実現できなかったと述べている。

「通常なら大きなエンジンが搭載されており、このようなダクトを設けることは不可能ですが、EVでは可能です」

BMW Mコンセプト・ノイエ・クラッセ
BMW Mコンセプト・ノイエ・クラッセ    BMW

イエローのポジションランプは、これまでM3や『M5』のCSモデル、および『M4 CSL』にのみ採用されていたものだ。今回、米国のGTDクラスで義務付けられているヘッドランプの色を参考にデザインしたという。

EVのデザインに内燃機関モデルの要素を取り入れることに矛盾はないかと問われたスカリー氏は、次のように答えた。

「そのようには考えていません。むしろ、より意味のあるものになると思います」

「このクルマが人々の共感を呼ぶ理由は、BMWがモータースポーツの伝統と継続的な活動を大切にし、それを電動化された未来へとつなげているからだと思います」

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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