マツダ・ロードスターは12年目も進化の余地あり! 特別仕様車『PS』誕生のきっかけは、スピリットレーシングの公道テスト【6台を一気に取材】

公開 : 2026.10.08 12:05

「あちゃぁ~これだ」

さて今回の取材では、プレゼンテーションと開発者へのQ&Aセッションを経て、6台のロードスターへ一気に乗ることができた。取材順にRF→RF(改良前)→Sスペシャルパッケージ→RS→RS(改良前)→PSとなる。いずれもワインディングが舞台だ。

RFはATということもあり、2Lエンジンのトルクに余裕があって走りやすい印象。そこからSに乗り換えると、ひらひらと走る軽快さが魅力。RSは相変わらず若干ハードな乗り心地だが、こういった場所では水を得た魚のようになる。

実際に試乗したPS。ボディカラーはディープクリスタルブルーマイカ。
実際に試乗したPS。ボディカラーはディープクリスタルブルーマイカ。    平井大介

改良前後比較で言えば、特に1.5Lのサウンドは高回転でのざらつきみたいなものがなくなっており、全般的に音量は下がりつつ、音質自体はよくなっていたのが印象的だった。

そして最後に乗ったPSである。ワインディングに入り、最初に曲がったコーナーでの心の声をそのまま記すと、「あちゃぁ~これだ」というものだった。それまで乗った5台の好印象を忘れそうになるほど、一気に上書きされてしまったのだ。

足まわりはスプリングレートが上がった分、確かに街中では少し硬さが気になるが、コーナリングでの足まわりの動き方が絶妙。以前取材したMSRが硬すぎた印象だったため、その考え方を取り入れたPSの仕上がりに不安もあったが、まさに杞憂だった。

ワインディングに限定して言えば、今まで乗ったND型ロードスターの中で一番よく走るかも、とさえ思ったのだ。

まだ進化の余地があることを物語る

現行ND型ロードスターは2015年にデビューしており、今年で12年目となるが、2025年に過去最高となる1万2台を販売。若年層や女性の伸びがあり、これは特に仕掛けをしたわけではないが、SNS利用者増、電動化といった時代背景の中で、純粋な内燃機関スポーツカーであるロードスターの注目度が高まっているようだ。

また、そこに至るまでも様々な改良を受け、最近では最新法規に合わせた2021年の商品改良が大きかった。その後、MSRを背景とした上で行われたPSを始めとする今回のアップデートは、ロードスターにまだ進化の余地があることを物語っている。

現行ND型ロードスターは2015年にデビューしており、今年で12年目となる。写真はRS。
現行ND型ロードスターは2015年にデビューしており、今年で12年目となる。写真はRS。    平井大介

試乗前のQ&Aで開発主査の齋藤茂樹さんに、もし将来EVになった時ロードスターがどうなると思うか聞いてみたところ、「もし仮にEVになっても、つまらないクルマになったとは言わせないです」という力強い発言があった。

どうやら我々は、もはやマツダの『伝統芸能』となったロードスターを、まだまだ楽しめそうである。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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