マツダ3があれば毎日の運転も楽しくなる ロードスターに似た感覚 家族向けスポーツカー?【UK編集部コラム】

公開 : 2026.07.03 17:25

マツダ3は控えめなハッチバックでありながら、MX-5(ロードスター)のような運転の楽しさと適度な快適性を兼ね備えています。エンジンの静粛性、ハンドリング特性など、次代に引き継いでほしい魅力が詰まっています。

ハンドルを握ればわかる「人馬一体」

筆者は、中小自動車メーカーの将来を案じている。投資・開発すべき新技術が山積みで、新たなライバルが市場に殺到するなど、比較的小規模なメーカーは厳しい局面に立たされている。

だからこそ、マツダは多くの同業他社と同様、トヨタや長安汽車といった企業との共同開発・提携に比重を置くようになっている。こうした提携により、マツダのような企業に未来への道筋が示される一方で、その個性が一部失われてしまうのではないかという懸念もある。

マツダ3には、MX-5(ロードスター)のような運転の楽しさがある。
マツダ3には、MX-5(ロードスター)のような運転の楽しさがある。    AUTOCAR

この『3』のハンドルを握るたびに、そのことを改めて思い知らされる。というのも、マツダはハンドリング特性を磨き上げる術を知っているからだ。たとえ控えめなファミリー向けハッチバックであっても(ましてやMX-5など言うまでもない)、マツダ車のステアリングには、運転する喜びと満足感を与えてくれる独特の鋭さとフィーリングがある。

同社は「人馬一体」という理念を大きく掲げており、自然な運転体験の実現を最優先に考えている。そして、実際にマツダ車のハンドルを握れば、それが単なる宣伝文句にとどまらないということがわかる。筆者は最近、週末に英国ハンプシャーの田園地帯へ何度か小旅行に出かけ、流れるような爽快な道で試乗車の3の運転を楽しむ機会があった。確かにホットハッチと言えるほどではないが、間違いなく魅力的なクルマだ。

不快になり過ぎない適度な乗り心地

ステアリングはダイレクトで、マツダならではの心地よい重さが感じられるため、コーナーに進入する際も、クルマは自分の意図した通りに動いてくれるだろうという確信が持てる。マツダ車のコーナリング安定性を支えているのは、やや硬めの乗り心地だが、英国の道路状況を考慮すると、これは明らかに欠点になり得る。

段差や穴にぶつかると少し衝撃が伝わるが、幸いなことに、その軽快なステアリングのおかげで、注意を払っていればそれらを回避できる可能性は十分にある。

マツダ3(英国仕様)
マツダ3(英国仕様)    AUTOCAR

筆者は田舎のランニングイベントによく参加するのだが、しばしば草地にクルマを停めなければならず、硬めのハッチバックではかなり不快に感じることもある。

しかし、マツダは乗り心地を過度に不快にすることなく、ハンドリングをシャープに仕上げるという適切なバランスを見出しているようだ。英国のハッチバック購入者の多くは、量販SUVやクロスオーバーではなかなか得られない「運転の楽しさ」を求めていると推測されるので、このバランスのとり方はいいと思う。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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