新型A110の内燃機関モデルは「市場の動向や機会次第」 アルピーヌのトップが日本で語る未来予想図(2) 優先すべきは軽くて美しいクルマを作ること
公開 : 2026.10.13 11:45
先日開催されたWEC富士6時間耐久レースに合わせて、2023年7月からアルピーヌのCEOを務めるフィリップ・クリエフ氏が来日。メディアに向けて行ったプレゼンテーションとインタビューの内容を、山崎元裕がレポートします。
A310やA610復活を望む声
―A110はアルピーヌにとってとても重要なアイコン的存在の1台ですが、市場にはA310やA610を現代の技術で復活させたモデルを望む声もあります(当インタビューはA310ビジョン発表前に行われました)。
フィリップ・クリエフ氏「私たちは今、A310の後継車については考えています。APP(アルピーヌ・パフォーマンス・プラットフォーム)はもちろんA110のベースになりますが、このプラットフォームを使用することでA310を開発することも可能ですから。APPには素晴らしい多様性があるのです」

―APPに搭載されるリチウムイオンバッテリーの搭載量がやや少ないのではという指摘があります。先日フランスで開催されたテックデイでは、そのエネルギー密度は750Wh/L、もしくは275kWh/kgと紹介されました。そしてアルピーヌはバッテリーの搭載量よりも、エネルギー密度を重視するという説明もありましたね。
「そのとおりです。この非常に高いエネルギー密度によって、A110の車体サイズ、特に全高を低く維持することができます。
アルピーヌにとってBEVの重要な開発コンセプトは、どれだけのエネルギーを搭載するのではなく、可能な限り小さな容量と重量で、いかにエネルギーを確保するかにあるのです。何よりも優先しなければならない事項は、まさにA110のような、軽くて美しいクルマを作ることです」
2シーターと2+2モデルにおけるキャラクターの違い
―つまり満充電からの走行距離は重要ではないと?
「それは違います。私たちが新型A110で想定した使用スタイルは、自宅からサーキットへと向かい、そこで20分間のサーキット走行をフルパフォーマンスで楽しみ、そして再び自宅へと帰る550kmの行程です。BEVの走行可能距離としては十分な数字ではないでしょうか。

さらに最も過酷なサーキット走行を行うならば、自動的に走行可能距離は短くなります。アルピーヌはカスタマーに600kmの走行可能距離を提供するのではなく、550kmと20分間のフルパフォーマンス走行を提供したいと考えています」
―2シーターモデルと2+2モデルでは、キャラクターの違いというものはあるのでしょうか。
「バッテリーを床下にレイアウトできることから、走行可能距離は2+2の方が長くなるでしょう。ホイールベースも長くなり、4WDバージョンも用意されます。2+2は技術的な特性として、2シーターとは少し異なる顧客層をターゲットとしています。
2+2ならラゲッジを積むスペースも十分に確保できますし、多用途性はかなり優れていますね。床面は2シーターよりやや高くなりますが、それでも十分に快適なスペースが得られるでしょう。1250mmの全高はもちろん2+2でも維持したいところです」































