クラシックA110のミニチュアカーを手にした子供時代 アルピーヌのトップが日本で語る未来予想図(3) 聖地ディエップ、そして日本が担う役割とは
公開 : 2026.10.13 11:50
先日開催されたWEC富士6時間耐久レースに合わせて、2023年7月からアルピーヌのCEOを務めるフィリップ・クリエフ氏が来日。ここでは山崎元裕によるレポートに続ける形で、編集部ヒライが行ったインタビューをまとめます。
現在アルピーヌを率いるクリエフ氏はどんな人物か?
先日開催されたFIA世界耐久選手権(WEC)富士6時間耐久レースに合わせて、2023年7月からアルピーヌのCEOを務めるフィリップ・クリエフ氏が来日。メディアに向けたプレゼンテーションを行った。
ここでは山崎元裕氏のレポートに続ける形で、筆者が別セッションで行ったインタビューを掲載する。合わせてお読み頂くと、現在アルピーヌを率いるクリエフ氏がどんな人物か伝わるはずだ。

―私は前職でアルピーヌに関する本(ムック『スクランブル・アーカイブ・アルピーヌ』/ネコ・パブリッシング刊)を3冊作ったことがあり、ディエップも訪れたことがあります。ですから、基本的には好きなブランドという前提でお聞きしたいです。まず、クリエフさんがアルピーヌの自慢できるところ、魅力はどう考えていますか?
フィリップ・クリエフ氏「まず大切なのは、乗っていて満面の笑顔になれることです。それはパフォーマンスやサウンドなど特定の何かというよりも、全てが一体となってドライバーの体験として感じられるところが最も大切なポイントだと思っています」
―個人的なアルピーヌに関する最初の体験を教えて頂けますか?
「(目の前に置いてあるミニチュアカーを手にして)子供の時にベルリネット、つまりA110ですけれど、こちらをコレクションに加えるのが当時の子供たちのマストでした。このクルマはタイムレスですよね。アルピーヌの過去、現在、そして未来を具現化するモデルであり、創業者ジャン・レデレの精神そのものだと思っています」
ジャン・レデレは何に対しても情熱を傾ける人物
―ジャン・レデレさんの名前が出ましたが、どんなイメージを持っていますか?
「レデレさんはジェントルマンドライバーであり、そして何に対しても情熱を傾ける人物でした。ブランド名を『レデレ』ではなく『アルピーヌ』としたこと、ここが大きなポイントだと思っています。

彼が自身の名前以上に重視したのは軽さです。そしてもうひとつ、とにかくファンでドライビングを楽しめること。シリアスになりすぎないよう、テクノロジーというよりも、むしろ楽しめることが大切です。そして自分が楽しめればその楽しさがお客さまに伝わる、そこを大切に考えていた方でした」
―そういったレデレさんの考え方は、現在のアルピーヌにどう活かされていますか?
「全てがドライバー中心主義で作られていることです。運転することはもちろんですし、コクピットの体験という意味でも常にドライバーが中心であることが大切です」
―具体的に例をあげると、どういうところですか?
「スポーツカーを作るにあたり、とにかくレスポンスがクイックであり、アジリティがあり、スムーズであることが大切だと思ってます。操舵でもブレーキングでも加速でも、内燃機関を含めたギアチェンジでも全部そうです。ドライバーが行う操作の全てがハーモニーを奏で、ドライバーに喜びが伝えられると考えています。
また、第2のポイントはドライビングポジションです。ドライバーがクルマの一部になって、できるだけ低いポジションに着座し、路面からの情報を正確に伝えられることが大切です。これは、F1マシンなどとも共通するポイントです。
そして最後のポイントは、感知できるクオリティを高めることです。五感に訴える全てが純粋であり、そこにフランスらしさが感じられることが大切だと思います」


























































