掘り出し物は約735万円 アルピーヌA110【UK中古車ガイド】 UK編集部の推しはソフトな前期型 自然なテールスライドを誘える喜び

公開 : 2026.07.31 18:05

先日生産を終了した傑作ドライバーズカー、アルピーヌA110。0-100km/h加速はポルシェ718ケイマンを凌駕し、柔軟なサスと精緻なステアリングは公道と相性抜群です。UK編集部が魅力を再確認します。

加速は718ケイマン凌駕の傑作ドライバーズカー

2017年に登場して以来、6種類の公道仕様や4種類のレーシングカーなどが誕生した、アルピーヌA110。惜しまれつつも、先日、7月1日に生産を終えてしまった。だが英国では、4万ポンド(約840万円)前後で悪くない中古車を探せるようになっている。

A110は約3万台が生産され、グレートブリテン島へ渡ってきたのは1700台ほど。比較的多く売れた市場といえ、当面は整備や修理に困ることはないだろう。走行距離が24万km超えの例も出てくることを考えると、信頼性も高いといえる。

アルピーヌA110(2017〜2026年/欧州仕様)
アルピーヌA110(2017〜2026年/欧州仕様)

ご存知の通り、A110は傑作のドライバーズカーだ。ルノー・エスパスにも載った、1.8L 4気筒ターボエンジンは充分な速さを叶え、ピュアかリネージ・グレードでは251psを発生。4.7秒という0-100km/h加速は、ポルシェ718ケイマンを凌駕した。

SとリネージGT(英国名)は当初292psだったが、2022年の小改良で300psへ強化。同年にGTSも追加されている。またコイルスプリングとアンチロールバーが引き締められ、車高は4mm落とされた。AUTOCARとしては、ソフトな足回りの前期型を推すけれど。

自然なテールスライドを誘える喜び

しなやかなサスペンションは、公道との相性抜群。ロータスを彷彿とさせる巧妙さで凹凸を均し、目的地へより速く快適に到達できる。カーブでの姿勢制御は安定し、不快な揺れも伴わない。滑らかな路面が多いなら、タイトな足回りの方が望ましいとしてもだ。

精緻なステアリングは電動アシストで、手のひらへの情報量は限られるものの、ダイレクト感は第一級。加えて、アクセルペダルの加減も交えたライン調整の能力こそ、A110の真骨頂といえる。自然なテールスライドを誘える、喜びがある。

アルピーヌA110(2017〜2026年/欧州仕様)
アルピーヌA110(2017〜2026年/欧州仕様)

インテリアは、ロータス・エリーゼより上質ながら、718ケイマンには届かない。居心地が良くシフトパドルは金属製でも、カップホルダーすらない。

2023年に、カーボン製のボディとホイールなどを得た、シリアスなA110 Rが登場。最終モデルはRウルティムで、350psへ引き上げられたが、かなり高額でもあった。中古車となった今でも、ベーシックなA110が最も魅力的だといっていい。

新車時代のAUTOCARの評価は?

アグレッシブなトルク感のターボエンジンに、夢中にならずにいられないシャープな操縦性。すべてが、運転の楽しさを追求したものといえる。自動車旅行を特別な体験へ変えるだけでなく、理解するほど愛着も深まっていく。(2018年5月16日)

アルピーヌA110(2017〜2026年/欧州仕様)
アルピーヌA110(2017〜2026年/欧州仕様)

記事に関わった人々

  • 執筆

    アレックス・ウルステンホルム

    Alex Wolstenholme

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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