全スポーツカー好き必読! 新型『アルピーヌA110』が挑むEVスポーツカーの革新(前編) グッドウッドでプロトタイプが初走行

公開 : 2026.07.09 22:45

7月9日、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2026で『アルピーヌA110フューチャー』が初走行を披露しました。ここではそれに先駆けて開催されたテックデイに参加した山崎元裕が、新型に採用される技術を解説します。その前編です。

復活を遂げたA110の歴史

初代A110の生産が終了してから、ちょうど40年目となる2017年、アルピーヌは新型A110をこの年のジュネーブ・ショーで発表した。

そのボディデザインは誰にでもかつてのA110の姿を彷彿させる、しかしながら当時の最新技術によってエアロダイナミクスをさらに洗練させた、魅力的な造形を誇るものだった。

グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2026で『アルピーヌA110フューチャー』が初走行。ドライブを担当したのは、BWTアルピーヌF1チームのピエール・ガスリー選手で、助手席にはグッドウッド主催者であるリッチモンド公爵が同乗した。
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2026で『アルピーヌA110フューチャー』が初走行。ドライブを担当したのは、BWTアルピーヌF1チームのピエール・ガスリー選手で、助手席にはグッドウッド主催者であるリッチモンド公爵が同乗した。    アルピーヌ

初代A110でリアに搭載されていたエンジンはミドシップへと移動し(そのためにキャビンは2+2から2シーターとなった)、まずは1798ccの直列4気筒ターボエンジンを252psの最高出力で搭載することから、復活を遂げたA110の歴史は始まった。

そのA110がスポーツカーのファンから常に高く支持されていたのは、アルミニウム製のプラットフォームなどを採用したことによる軽量性、そしてシンプルなエンジニアリングだった。

A110にはその後、『A110S』、『A110GT』、『A110R』、『A110Rウルティメ』などに代表される、さまざまな派生、高性能モデルや特別仕様車が誕生。そのいずれもが軽量でコンパクトな、コーナリングマシンとしての感動的なまでの楽しさを持つモデルであった。

研究開発センターでテックデイを開催

A110の人気は、デビューから10年という節目が近づいても変わることはなかった、昨年アルピーヌは対前年比でプラス54.7%となる1万970台をデリバリーしているが、2023年に発表された『A290』とともに、A110はこの数字を実現するために、なおも確かに貢献していたのだ。

そのA110の生産が2026年7月1日をもって終了した。

筆者も参加した、パリ近郊のギュイアンクールにあるアルピーヌの研究開発センターで開催された、新型A110を中心とした技術説明を行うテックデイ。
筆者も参加した、パリ近郊のギュイアンクールにあるアルピーヌの研究開発センターで開催された、新型A110を中心とした技術説明を行うテックデイ。    アルピーヌ

これまでフランス北部にあるディエップ工場からデリバリーされた第2世代A110の生産台数は、トータルで2万8701台。アルピーヌによれば、2027年にはその後継車となる第3世代A110の生産がスタートする予定となっている。

果たして第3世代A110とは、どのようなモデルになるのだろうか。本稿執筆時点でそのプロトタイプである『アルピーヌA110フューチャー』の詳細は明らかになっていないが、グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2026でその走行シーンを初披露している。

それに先立ってアルピーヌは、パリ近郊のギュイアンクールにある同社の研究開発センターで新型A110、そしてその派生モデルにも大きく関係する技術説明を行うテックデイを開催。筆者もそのプログラムに参加することができたので、ここで概要を報告していこう。

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王(超王)」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

新型『アルピーヌA110』が挑むEVスポーツカーの革新の前後関係

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