3本爪ライトの新解釈 プジョー『RCZビジョン』公開(後編) 「エモーションを取り戻す」スポーティな2ドア・クーペ

公開 : 2026.10.13 16:50

斬新なインテリア クリアパネルは量産化も検討

RCZビジョンは、プジョーの「iコックピット」デザインを未来的に解釈した、斬新なインテリアレイアウトを導入している。

現在の量産車とは完全に一線を画し、低く配置されたスポーツシートと、異例のステアリングホイール「ハイパースクエア」を備えた、ドライバー中心のドラマチックなレイアウトが特徴だ。昨年のコンセプトカー『ポリゴン』で導入された新しいステアバイワイヤ技術の採用が予想される。

プジョーRCZビジョン
プジョーRCZビジョン    プジョー

特筆すべきは、従来のスクリーンが一切装備されておらず、デジタル情報はダッシュボード上のクリアパネルに表示される点だ。このレイアウトはコックピットに活気を与えつつ、ドライバーの注意散漫を最小限に抑え、視線を道路に向け続けるための取り組みの一環だという。

ホッサン氏は、「デザイナーとして、わたし達は目の前に黒い画面を並べたり、至る所に1平方メートルのスクリーンを設置したりすることを夢見ているわけではありません」と語っている。

「この技術が興味深いのは、使用状況に応じて情報を表示するかどうかを調整でき、至る所に黒いスクリーンが並ぶのではなく、素材に囲まれた空間を楽しめる点です」

クリアパネルは現時点ではコンセプト段階だが、プジョーはサプライヤーと協力し、量産車への搭載に向けた技術開発を進めている。

デジタル一辺倒ではない エンジン音には消極的

キャビンには物理的な操作ボタンも適度に配置されている。ホッサン氏は、従来のボタンとタッチスクリーン、音声アシスタントのバランスを取ることを目指していると述べた。

「現在、物理ボタンを復活させるべきかという議論があることは承知しています。時には行き過ぎた面もあったかもしれません。わたしにとって常に重要なのは、バランスと習慣です。なぜなら、今日ではわたし達はこうしたデジタル機能にすっかり慣れ親しんでいるため、5年前や10年前とは状況が異なっているからです」

プジョーRCZビジョン
プジョーRCZビジョン    プジョー

プジョーは、今後のスポーツEV(RCZビジョンの量産モデルを含む)における運転の没入感を高める方法を模索しているが、ヒョンデやメルセデス・ベンツのように、フェイクの排気音や疑似変速機能を導入する可能性は低い。

「特定の音で新しいEV体験を強調するのは、良い場合もあると思いますが、それはバランスの問題です。体験の面で、あまり不自然に感じないようにする必要があります」とホッサン氏は言う。

「電動スポーツカーを運転するのもかなりエキサイティングだと思います。ですから、不自然に思えるようなことをせずに、どうすればこの運転体験を向上させられるか、それが課題です」

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    役職:副編集長
    AUTOCARの若手の副編集長で、大学卒業後、2018年にAUTOCARの一員となる。ウェブサイトの見出し作成や自動車メーカー経営陣へのインタビュー、新型車の試乗などと同様に、印刷所への入稿に頭を悩ませている。これまで運転した中で最高のクルマは、良心的な価格設定のダチア・ジョガー。ただ、今後の人生で1台しか乗れないとしたら、BMW M3ツーリングを選ぶ。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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