アルピナXD3ビターボ

公開 : 2016.08.25 05:40  更新 : 2017.05.29 18:24

  • アルピナのマーケティング担当のジョナサン・ガンザー氏

  • アルピナ社の日本総代理店であるニコル・オートモビルズのCEO、C.H.ニコ ローレケ氏

ガンザー氏とのインタビューの翌日、その話の中にあった女性ドライバー、ダニエラ・シューミッド氏のドライブで、XD3ビターボの走りを体験するため、茨城県の筑波サーキットを訪れた。テクニカル・コースとして知られる筑波は、一見XD3のパフォーマンスを披露するには不向きなようにも思えるが、あえてこのようなシチュエーションを選択したのは、やはりアルピナの自信の表れなのだろう。個人的にはすでに、XD3の走りは経験済みで、それがBMW 3シリーズ・ベースのアルピナ車と同様に、実に魅力的なハンドリング、そしてラグジュアリーな印象を抱かせてくれるモデルであることは確認済み。はたしてサーキットでのXD3はどう感じられるだろうか。

子供の頃に父親が買ってきたレーシング・カートが、レースの世界に入る直接のきっかけだったというシューミッド氏は、現在アルピナのセールス部門でマネージャーとして働きながら、VLN=ニュルブルクリンク耐久シリーズなどでBMW Z4のステアリングを握る。アルピナのプロダクトは、それがガソリン・モデルであってもディーゼル・モデルであっても、同じようにエモーショナルなドライビング・インプレッションを得ることができると告げると、彼女はピットロードを一気に加速して、筑波サーキットの第一コーナーへとXD3のノーズを向けた。コース内では常に「スポーツ・プラス」モードを選択してのドライブとなったが、まず驚かされたのは乗り心地の素晴らしさ。タイヤをランフラットではない、ミシュラン製のパイロット・スーパー・スポーツとしたことはもちろんその理由としては大きいが、それだけではもちろん、この乗り心地は演出できない。そこにはアルピナが50年もの伝統の中で培ってきた、一般的にはアルピナ・マジックと呼ばれるシャシー・チューニングのノウハウが受け継がれているのだ。

着座位置の高さと、それによってロールがやや大きめに感じることを除けば、XD3の走りには、アルピナ製のリムジン=セダンやツーリング=ワゴン、あるいはクーペといったモデルからの違和感はない。フロントのツインターボ・ディーゼルエンジンが、ワイドなトルクバンドを持つことは、どのような場面からでもアクセルペダルを踏み込むだけで、瞬時に効率的な加速体勢が整うことにも証明されている。そしてもうひとつ見逃せないのが、オールラッド、すなわち4WDの駆動方式が実現するトラクション性能とスタビリティだ。SUVとしての機能性をも考え合わせれば、あるいはこのXD3は、アルピナの製品の中では最も魅力的な一台なのではないか。そう確信することができた同乗試乗だった。ちなみに日本市場へは、このXD3は昨年から180台の限定車として輸入が行われている。先日はさらに新たなパッケージオプションを採用した、ブラック・エディションも登場。その商品性はさらに高められることになった。

アルピナXD3ビターボ

価格 12,340,000円
全長×全幅×全高 4650×1900×1690mm
ホイールベース 2810mm
乾燥重量 1950kg
エンジン 直列6気筒ツインターボ2992cc
最高出力 350ps/4000rpm
最大トルク 71.4kg-m/1500-3000rpm
ギアボックス 8速オートマティック
サスペンション ストラット / 5リンク
ブレーキ 4輪ベンチレーテッド・ディスク
ホイール+タイヤ 8.5Jx20 + 255/40ZR20 / 9.5Jx20 + 285/35ZR20
燃費(JC08モード) 15.9km/ℓ

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