曙ブレーキ、マクラーレンF1チームとのパートナーシップ、10周年を迎える

2016.10.04

曙ブレーキがマクラーレンF1チームとのパートナーシップを締結してから今年で10周年を迎える。このことを記念して日本グランプリを前に、曙ブレーキ本社で記者会見が行われた。曙ブレーキからは信元久隆代表取締役社長、根岸利行専務執行役員、マクラーレン側からはレーシング・ディレクターのエリック・ブーリエ、タイヤおよびブレーキ担当のエンジニアである今井弘、そして来年からマクラーレンのドライバーとなるストフェル・ヴァンドーネが参加した。

曙ブレーキがF1に参入した時期は、決算で赤字を記録した時で、社内でも「なんでこんな時期にお金のかかるF1に」という意見もあったようだ。しかし、その意見を押しのけてF1の世界に参入したのは、最高峰のモータースポーツであるF1でその実力を試したいという考えがあったからだという。また、欧州での認知度向上、世界最高性能のブレーキを作りたいという目的もあったようだ。2007年からマクラーレンにキャリパとマスターシリンダを供給するようになったが、その年の第2戦でいきなり優勝を果したことによって自信が大きくついたようだ。更に、2013年からは曙ブレーキは単なる部品のサプライヤーとしてではなく、マクラーレンのテクノロジー・パートナーとして参画している。

面白いエピソードとしては、曙ブレーキが供給するブレーキについて、マクラーレンからは強度や耐久性に対して、いままで一回も言及されたことがないということだ。マクラーレンからの要求は1/1000秒でも速さにつながるパフォーマンスを発揮するということだけで、強度や耐久性に関しては曙ブレーキを完全に信じているのだという。

なおF1で培った技術を活かした市販車用のブレーキが、マクラーレン12C GT3やP1に採用されている他、AMG、ポルシェベントレーアウディなどのハイパフォーマンス・モデルにも正式採用されている。日本人としては、ブレンボ、AP、ガーリングなどを上回る押しも押されぬトップ・ブランドになって欲しいと思うのだが、現時点ではハイパフォーマンス・モデル向けのブレーキについては要望が多く供給が間に合わないというのも正直なところだそうだ。

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