欧州最小クラスのEV登場 スマート新型『#2』プロトタイプ公開 『フォーツー』後継、2026年発売へ

公開 : 2025.12.17 07:05

スマートが新型EV『#2』のプロトタイプを公開しました。『フォーツー』の後継となる2ドアのコンパクトカーで、2026年発売に向け走行テストを進めています。先代モデルと同等のサイズを実現する見込みです。

超コンパクトな2人乗りEV

スマートは、『フォーツー』の後継車となる新型EV『#2』のプロトタイプを初公開した。発売は来年後半を予定している。

2人乗りの小型車で、スマートブランドの新たなエントリーモデルとなり、クロスオーバーの『#1』と『#3』、SUVの『#5』、セダンの『#6』に次ぐ5番目のモデルに数えられる。

新型『#2』のプロトタイプ。先代フォーツーのボディを試験的に装着している。
新型『#2』のプロトタイプ。先代フォーツーのボディを試験的に装着している。    スマート

新型#2は、スマートとしては初めて『エレクトリック・コンパクト・アーキテクチャー(ECA)』を採用する。このプラットフォームは、親会社である中国の吉利汽車(ジーリー)と欧州のメルセデス・ベンツが欧州市場を主なターゲットとして共同開発している。既存モデルはいずれも吉利が設計し、メルセデス・ベンツがデザインを担当した。

今回公開されたプロトタイプでは、テストのために3代目フォーツーのボディを装着している。従来と同等のプロポーションを実現するようだ。

デザインは未公開だが、スマートによると、#2は「フォーツーの再発明」と位置付けられ、「新たなアイデンティティ」を備えつつ、四隅に車輪を配置した「ホイール・アット・ザ・コーナーズ」のスタンスを継承するという。

スマートはまた、2ドア、2人乗り、後輪駆動という構成を採用し、フォーツーと同じ「コアのドライビング・ダイナミクス」を踏襲すると述べている。

スマートのディルク・アデルマンCEOは今年初め、AUTOCARに対し、ECAプラットフォームの開発費用を回収するためには複数のモデルで採用する必要があると語った。このことから、4ドアの『フォーフォー』の後継車も検討している可能性がある。

技術的な詳細は未確定だが、アデルマン氏はデュアルモーター駆動システムにも対応可能だとした。また、#2では最小旋回半径など、市街地での取り回しを重視しているという。

#2は2026年後半に正式発表される予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事