2017年型ジャガーXE Sに試乗 BMW/メルセデス/アウディに勝っているところとは?

公開 : 2017.05.10 19:00  更新 : 2017.05.29 18:37

「派生車種」と甘く見ることなかれ

メーカーは、EU複合モードの燃費が12.3km/ℓであると標榜するが、これは直線でのパフォーマンスであれば同等のディーゼル車と比べてあまりよくない。

しかし、他の車種は、このガソリン車の多彩な個性を持つには至らない。このクルマはふたつの個性を備えるエンジンだと言え、このクルマの個性的なキャラクターを確立している。

今回ジャガーは、このXE Sに走行モードの選択を標準装備で与えている。これはかなり価値のあることで、この装備がシャシーに高水準の柔軟性を与えているからだ。走行モードを一番ソフトなモードへ切り替えると、悪路を完全にいなすことができる。

一方で、スポーツ・モードへ切り替えると、シャシーは打って変わって機敏になり、1665kgの車重を感じさせないほど軽快なドライブ・フィールをもたらす。

このクルマは、ブレーキを使ったトルク・ベクタリングを採用しているが、その効果は顕著で、立ち上がりの際、まだ舵角が付いた状態でも、アクセルを開けると、コンピューターはその時に利用可能なグリップをもとに、後輪に伝える最適なトルクを弾き出す。

販売戦略的において重要なディーゼル車や小排気量ガソリン車のXEモデルの派生車種というよりも、このクルマの全て、つまりエンジン、トランスミッション、そしてシャシーは、まるで違うクルマのように感じる。

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