アウディが求める理想の乗り味はEVでこそ活きる 『SQ6 eトロン』に約1200km乗って感じたこと【日本版編集長コラム#92】

公開 : 2026.07.26 12:05

AUTOCAR JAPAN編集長ヒライによる、『日本版編集長コラム』です。最近乗ったクルマの話、取材を通じて思ったことなどを、わりとストレートに語ります。第92回は前回に続きアウディの『SQ6 eトロン』がテーマです。

昨年3月に日本デビューしたEVモデル

前回レポートした『Q5』のディーゼルから乗り換えたのは、同じアウディの『SQ6 eトロン』であった。昨年3月に日本デビューしたEVモデルだ。

現在日本でのQ6 eトロン・シリーズは、以下のようなラインナップとなっている。

今回のレポート車は『アウディSQ6 eトロン』。昨年3月に日本デビューしたEVモデルだ。
今回のレポート車は『アウディSQ6 eトロン』。昨年3月に日本デビューしたEVモデルだ。    平井大介

●Q6 eトロン:バッテリー総電力量83kW/駆動方式RWD/最高出力185kW/最大トルク450Nm/航続距離589km/価格839万円
●Q6 eトロン・クワトロ:バッテリー総電力量100kW/駆動方式4WD/最高出力285kW/最大トルク580Nm/航続距離663km/価格998万円
●SQ6 eトロン:バッテリー総電力量100kW/駆動方式4WD/最高出力360kW/最大トルク580Nm/航続距離685km/価格1320万円

Q5の価格帯が787~1098万円なので、補助金によってはQ6のほうが安くなるという逆転現象が起きているのはさて置き、昨年10月には上記3グレードに対し価格+39万円で、スポーティなボディスタイルのスポーツバックも設定されている。

今回は標準ボディの最上級モデルである『SQ6』で、京都のラグジュアリーホテル『デュシタニ京都』まで走りそこで1泊。翌日戻るという試乗プログラムに参加した形だ。筆者は静岡県東部の自宅から京都まで往復し、その前後にも他の取材などで使用したため、合計1200km近くを走ることになった。

ちなみにアウディ・ジャパンとデュシタニ京都は『サスティナブルな宿泊体験』を提供すべく、2023年にコラボレーションを開始。当初はホテル専用車両として『eトロン・スポーツバック55クワトロ』を導入し、昨年8月には『Q8 55 eトロンSライン』に入れ替えとなっている。

地下駐車場には200V/8kWの充電器が4基設置されるため(2基がアウディ製、2基がポルシェ製)、今回は事前に予約し活用させて頂くこととした。

SQ6が良すぎてQ5のディーゼルが霞む

さて、SQ6に乗り始めて思ったことを正直に書くと『良すぎてQ5のディーゼルが霞む』というものだった。そして『やはりアウディはEVで乗るべき』とも。

乗り味の上質感は明らかにQ5よりSQ6のほうが上で、ディーゼルとEVの違いから想像する以上の差異があった。街中でも高速でもとにかく乗り心地がよく、絶妙なフラット感がある。もしやと気になって、信号待ちで車内に置いてあるスペックシートを見て納得した。そう、このSQ6はエアサスペンション付きなのだ。

目的地となったラグジュアリーホテル『デュシタニ京都』の地下駐車場で充電中(200V/8kW)。
目的地となったラグジュアリーホテル『デュシタニ京都』の地下駐車場で充電中(200V/8kW)。    平井大介

前回Q5の原稿で書いた『別のアウディで乗ったエアサスが素晴らしかった』というのは実はSQ6の話で、その一挙手一投足から高級感が漲ってくる。ちなみに車重の重いEVとエアサスの相性は抜群で、全車標準でもいいのではないかと思っている。

ボディサイズは全長4770mm、全幅1965mm、全高1670mm、ホイールベース2895mmと特に京都の街中ではかなり大柄で、デュシタニ京都の駐車場を出る際にも神経を使う場面があった。しかしその大きさは、ワイドさゆえの安定感に繋がっており、とにかくクルマが落ち着いている印象だ。

ストレスが少ない、快適という言葉が似合うクルマで、今回の走行ルートでは『S』というグレード名がイメージさせるほどスポーティには思えなかった。実際は相当速いはずだが、安定しているがゆえに速度感がないことが、その理由ではないかと思っている。ただし、その加速に動的質感の高さが伴っていたことは強調しておきたい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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