【休日クラシック・ポルシェ・アーカイブ #30】1978年ポルシェ911ターボ3.3「排気量が2994ccから3299ccへと増大」

公開 : 2026.07.26 09:11

世界的な人気モデルとして支持され、サーキットでも数えきれぬ栄光の記録を刻んできたポルシェ。土日祝日の午前9時11分に公開する、そんなポルシェの足跡を膨大なアーカイブと共に振り返る連載です。#30は『1978年ポルシェ911ターボ3.3』です。

1978年ポルシェ911ターボ3.3

ポルシェのパフォーマンス&ラグジュアリーモデルとして送り出された911ターボは、世界中で予想を超える人気を集め、商業的に成功を収めた。

ライバルに対抗するため、初のマイナーチェンジを実施。1977年8月から生産された1978年モデルに施されたのは、エンジンのスケールアップによりパフォーマンスを向上させることだった。またアメリカでの排気ガス規制の強化に伴ってパワーダウンは避けられず、それを補うために排気量を増大する意味合いもあった。

1978年ポルシェ911ターボ3.3
1978年ポルシェ911ターボ3.3    ポルシェ

エンジンは、ボアを95.0mmから97.0mm、ストロークを70.4mmから74.4mmへと拡大することにより、排気量が2994ccから3299ccへと増大した。圧縮比も6.5:1から7.0:1へと引き上げられ、ターボチャージャーも従来のものより大型かつ軽量なタイプへと変更されている。

進化の大きなポイントは排気量の増大だけではなく、新たに空冷式インタークーラーが取り付けられ、充填効率を高めたことにある。エンジンフードはインタークーラーの設置に伴い、FRP製から鋼板製に変更された。

その他の改良点としては、メインベアリングの大型化、ボッシュ製Kジェトロニック燃料噴射や新たな点火システムのアップグレードがある。これによりヨーロッパ仕様の最高出力は3.0リッター・モデルの260hpから300hpへと向上し、トルクも33.8kg-mから42.0kg-mへと増強された。また、クラッチはディスクハブにラバーを組み込んだフレキシブルタイプとなり、エンジンの搭載位置が30mm後退している。

『ホエールテール』から『ティートレイ』へ

なお、排気ガス規制が厳しいアメリカと日本仕様は、サーマルリアクターの取り付けと96RON無鉛ガソリン指定の浄化対策が施されたため265hpにダウン。最大トルクも40.3kg-mへと低下した。また4速トランスミッションはギア比が見直されている。

最高出力は3.0リッター・モデルの260hpから300hpへと向上し、トルクも33.8kg-mから42.0kg-mへと増強された。

インタークーラーを収めるためにリアスポイラーが大型かつフラットな形状となった。
インタークーラーを収めるためにリアスポイラーが大型かつフラットな形状となった。    ポルシェ

これにより動力性能も向上し、最高速度は10km/h速い約260km/hに達した。しかし車両重量は1195kgから1300kgへと増加している。

外観での変更点としては、インタークーラーを収めるためにリアスポイラーの形状変更がある。大型かつフラットな形状となり、目立つ冷却用ベントや厚みのある縁取りが採用され、それまでの『ホエールテール』から、サイドの端が上向きに反り上がった形状の『ティートレイ』へと変更されている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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