今年のモントレーの傾向は? Part-2「グッディング・ペブルビーチ・オークション」
最終更新日:2017.08.25
ポイント4 ポルシェは “濃い” 27台を用意
グッディング・ペブルビーチ・オークションにおいてメーカー別で最大勢力となったのはポルシェだった。前述の917Kに加え、1954年のポルシェ356スーパー・スピードスターから2011年ポルシェ997スピードスターまでの、どれもコレクションに欠かせない27台が用意された。それだけに入札も好調でこのうち22台が新たなオーナーの許へ嫁ぐことになった。
個々で見てゆくと人気の4カムモデルの356Bカレラ2カブリオレが1億3750万円で落札されたのに対し、より貴重な904 カレラGTSが1億6940万円と意外や入札が進まなかった。このほか興味深いのは997GT3 RSが3.6と3.8、4.0と排気量違いで3タイプが揃ったことだ。
ポイント5 フェラーリも主役らしく大商い
オークションの主役といえるフェラーリは1951年の212インテル・クーペからラ フェラーリまでの23台が出品された。最高値を記録した275GTB/C以外も数年前には及ばないものの、最近のオークションで見られなかった高額落札車が続出した。
長らくフェラーリヒストリアンのヒラリー・ラーブJr.が所有していた1959年フェラーリ250GTカブリオレ・シリーズIは、完璧なレストレーションが施されていることから驚きの5億3240万円まで値を上げ、スカリエッティボディの1954年フェラーリ500モンディアルが3億4788万円、2015年ラ フェラーリは3億8720万円、1965年フェラーリ275GTBが2億8435万円と、億越えが8台を数えた。
ここでもデイトナは今ひとつ盛り上がらずに流れてしまい、ディーノ246GTも2750万と思われる最低落札に届かず流れている。’70年代以降の量産モデルも落ち着きを取り戻しつつある。
ポイント6 マニアックなモデルも健闘
グッディングの守備範囲は広いが、ボナムスのように旧いアメリカ車は積極的にカバーせず、ミニマムに押さえている。その代わりと言ってはなんだが、イタリア車を始めとするヨーロッパ車が充実している点が特徴だ。
今回注目されていた車両を記すと、フィアット8Vベルリネッタ・エラボラータ(1億6335万円)、ランチア・フラミニア・スーパースポルト(3751万円)、マセラティ6CM(1億1000万円)、マセラティA6G/54ベルリネッタ(4億8400万円)、OSCA1600GTクーペ(3751万円)とマニアックな顔ぶれが並んだ。
今年のモントレーで各オークションハウスが用意した人気車といえばメルセデス・ベンツ300SLだ。グッディングではガルウイングとロードスターが両日にそれぞれ用意される徹底ぶりだった。その中で注目を集めたのが同じファミリーが新車から所有していたガレージファインドのガルウイングとロードスターだ。このうちガルウイングは、全体にくたびれてはいるものの未レストアでオリジナル度が高く走行16,300マイル(約2.6万km)と少ないことから、相場以上となる1億8453万円まで値を上げた。同時に発見されたロードスターも同様に荒れてはいるものの、未レストアのオリジナルで走行38,000マイル(60,800km)だけに1億1374万円を記録した。
オークション前から注目の存在だったアルファ・ロメオ6C1750シリーズVグランスポルトとアルファ・ロメオ・ティーポ33 TT12、メルセデス・ベンツSタイプ26/180スポーツツアラー、シェルビー289コブラ、マクラーレンP1、メルセデス・ベンツCLK DTM AMGなどは、ここの来場者の好みに合わなかったようで入札が進まず流れている。
全体的に見れば、グッディングらしく良質なクルマが用意されていたため、他社に比べて高額で落札されていたのが印象的だった。
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