すばらしきタルガの世界(4) フェラーリF355 vs TVRタスカン

公開 : 2017.09.08 15:10

「SF映画のセットのような別世界の感覚」

デイヴ・ハワードの2004年型タスカンSは第2世代の後期モデル。ヘッドランプカバーと液晶式メーターで、初期モデルと簡単に見分けられる。

ハワードはキミーラ450からこれに乗り換えた。「わたしはTVRのコミュニティが好きなんです。それに、乗ってみたら、評判とは違ってタスカンのほうがキミーラより運転しやすいとわかりました。冷却ファンが駐車中も回り続けてバッテリーを浪費したことがあったけれど、トラブルはそれだけですよ」

ひとたびタスカンに乗ると、細かいことは大目に見たくなる。軽量素材を多用したボディに、自社製の「スピード6」を搭載。パワーウエイトレシオは、F355さえ影が薄くなってしまうほどだ。

V8のような背中を蹴飛ばす加速感はないが、リミッターに当たってシフトアップするまでパワーが素早く直線的に盛り上がる。しかもタスカンのコクピットは、まるでハリウッドのSF映画のセットのような別世界の感覚。

美しく機械加工されたアルミのノブがあちこちに配され、風変わりなメーターは……。まぁ、アクセルを強く踏み込んだらもう役には立たない。

真っ直ぐ前方を見つめる以外にないからだ。それでいてタスカンは、おとなしく扱えば驚くほど従順なクルマでもある。

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