マツダのラージSUV『CX-60』と『CX-80』に感心した話(前編) 縦置きエンジンのFRスポーツカーを極めたメーカーらしさ【日本版編集長コラム#97】
公開 : 2026.08.30 12:05
AUTOCAR JAPAN編集長ヒライによる、『日本版編集長コラム』です。最近乗ったクルマの話、取材を通じて思ったことなどを、わりとストレートに語ります。第97回はマツダのラージSUV『CX-60』と『CX-80』の話、その前編です。
CX-60を約1000km、CX-80を約1600kmドライブ
ご存知のようにマツダの『ラージSUV』と呼ばれるシリーズは、日本では『CX-60』と『CX-80』が発売されている。
パワートレインは3.3L直列6気筒のディーゼル、これをベースとしたマイルドハイブリッド、2.5L直列4気筒のガソリンエンジン(CX-60のみ)、これをベースとしたプラグインハイブリッド(以下PHEV)となる。今回は両車のPHEVを取材することになり、CX-60には約1000km、CX-80には約1600km乗ることができた。

欧州などに比べると充電インフラ普及速度が遅い日本において、PHEVは現実的なパワートレインであると書かれることが多い。確かに街中は主に電気で走り、長距離は主にガソリンでという使い方は理想的ではある。
しかし、自宅に3kWの普通充電環境のある筆者がいろいろとPHEVを取材してみたところ、車両によってだいぶ状況は異なることがわかってきた。
実際に充電まで試した中で言えば、ボルボのV60とXC60は普通充電しか対応しておらず、急速充電の差込口が存在しない。0%から100%までの3kW普通充電にかかったのは約6時間で、約60kmの航続距離を示した。
また、フォルクスワーゲン・パサートも普通充電のみだが、バッテリー容量が大きいため、同様の普通充電に約9時間を要した。その結果134kmの航続距離を示したので、パサートはどちらかと言えばEV寄りのPHEVだ。
一方、取材で充電は試していないものの、トヨタRAV4や三菱アウトランダーは普通充電と急速充電の両方が可能だったりする。そして今回取材したCX-60とCX-80も、両方の差込口を備えるタイプだ。
2台とも想像以上にいいクルマだった
……実は、そういったPHEVの話を切り口にしようと始めた今回の取材だが、結論から書くと、2台とも想像以上にいいクルマであることに感心し、本筋を変更せざるを得ない状況となった。気がつかないうちに、かなり熟成されていたようなのだ。
当初マツダのラージSUVに対する我々メディアの評価は、正直、芳しいものではなかった。個人的に初期のCX-60は取材できていないのだが、顔見知りの方に印象を聞くと厳しい声が多かった。それを踏まえて参加したCX-80の試乗会と、その流れで取材したCX-60で初めて触れて、特に足まわりの煮詰めに課題があることを認識した。

簡単に書けば、ドライビングの楽しさも想定してしっかりとした足まわりであるCX-60に対し、3列シートであるCX-80は、後部座席を意識して乗り心地が少しマイルドになっている。しかし、CX-60はSUVにしてはドライバーに寄り過ぎていて、CX-80はそのマイルド具合があまり上手くできていないというのが、その時の印象だった。
そして今回2台を取材してみて、その方向性は変わっていないものの、両車とも以前より印象がいいことに驚いた。
EVやPHEVはバッテリーの関係で車両重量がどうしても重くなり、CX-60が2100kgで、CX-80は2260kgもある。バッテリーを低い位置に置いて重心が下がるのはメリットとして挙げられることが多いが、やはり各社ともに、物理的な重さに対する処理を苦戦している印象だ。































































































