フェラーリ70周年式典 1000台の跳ね馬が集結

2017.09.08-10

日曜 コンクール・デレガンスで70年を祝す


イタリアでの70周年記念という特別なイベントの最後を締めくくったのが、日曜日に行われたコンクール・デレガンスだ。フェラーリのF1マシンやロードカーの開発に使われているフィオラーノ・サーキットを舞台に、70年の歴史を作りあげてきた120台が美を競った。

コンクール・デレガンスの審査は、国際的なフェラーリに精通した専門家により厳格なチェックが行われた。今回はGTカーとスポーツ・レーシングカーというフェラーリを象徴する2クラスに分けられ、それぞれの頂点となる「ベスト・オブ・ショー」を選出することになった。

コース沿いにカテゴリー、年代により20のクラスに分けられてフィオラーノに展示。熱烈なフェラリスティにより素晴らしいコンディションに保たれた、フェラーリの歴史を作りあげてきた珠玉のモデルたちは甲乙をつけがたく、シビアなチェックが行われた。また普段は目にすることが難しいモデルが数多く姿を見せ、ある意味1日限りのフェラーリミュージアムといえる充実した内容だった。

最終的にスポーツ・レーシングカー・クラスの「ベスト・オブ・ショー」には1953年340MMスパイダー・ヴィニャーレが、GTカー・クラスの「ベスト・オブ・ショー」は1986年テスタロッサ・スパイダーが選ばれた。

受賞した340MMスパイダー・ヴィニャーレは、1953年のミッレ・ミリアでジャンニーノ・マルツォット/マルコ・クロサーラ組が乗り優勝したという素晴らしいレーシングヒストリーを持つ個体だ。一方のテスタロッサ・スパイダーは、ジャンニ・アニエッリ氏のフィアット会長就任20周年を記念して、フェラーリが特別にワンオフで製作したスパイダー仕様。ファクトリービルドならではの洗練された姿と造りの良さは今も観る者を魅了する。なおこのテスタロッサ・スパイダーは、1991年までアニエッリ氏が所有していたというヒストリーを備える。

 
こうして3日間に渡り行われたイタリアでの70周年記念イベントには、世界各国から4000名以上のオーナーと同伴者、約1000台のフェラーリが一堂に集まった。今回のイタリアでの3日間は、今年の年末まで世界60カ国で行われる70周年記念イベントの頂点に位置する内容で、参加したフェラリスティにとっては忘れ得ぬ良き思い出となったに違いない。
 

  • スポーツ・レーシングカー・クラスの「ベスト・オブ・ショー」は、素晴らしい戦歴を持つ1953年340MMスパイダー・ヴィニャーレが獲得した。

  • GTカー・クラスの「ベスト・オブ・ショー」は1986年テスタロッサ・スパイダーが選ばれた。

  • テスタロッサ・スパイダーの特徴は後姿。フェラーリ製のワンオフモデルだけに、その完成度は極めて高い。

  • コンクール車両の展示場所はフィオラーノ・サーキットのコースサイド。コースに沿ってクラス別に並べられた。

  • こちらはディーノ206/246GTのクラス。ロードカーのほか当時レースを闘ったコンペティション仕様も参加した。

  • 立体交差に向かうコーナーのイン側には288GTOが並べられた。縁石のトリコローレとのコントラストが雰囲気だ。

  • 並べられた250GTOを興味深げに覗き込むのはセバスチャン・ベッテル。横にはピエロ・フェラーリの姿も。

  • 1970年代以降のレーシングカーは少なく、512Mと、BPRシリーズを闘ったF40GTEとさびしかった。

  • いつもは張りつめた空気が漂うフィオラーノだが、式典の期間中はミュージアムともいえる光景が広がった。

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