旧き良きアナログな時代を体感 フェスティバル・オブ・サイドウェイトロフィー2026春【23歳編集部員がレポート】
公開 : 2026.06.06 11:25
5月31日、千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイにて開催されたビンテージカーのレースイベント『フェスティバル・オブ・サイドウェイトロフィー 2026 春』の様子を編集部小河がレポートします。
年に2回、袖ヶ浦がタイムスリップする日
5月31日、千葉県の袖ヶ浦フォレストレースウェイにて、ビンテージカーのレースイベント『フェスティバル・オブ・サイドウェイトロフィー(以下FoST)2026 春』が開催された。
FoSTは、英国の『グッドウッド・リバイバル』をリスペクトし、1960年代のロマン溢れるモーターレース黄金期の空気感を表現することを目的としたサーキットイベントである。

袖ヶ浦フォレストレースウェイを舞台に、毎年春と秋に開催。二輪、四輪からフォーミュラ、時にはサイドカーまで集まり、往年のモータースポーツシーンさながらのレースを繰り広げている。
緻密なレギュレーションが設けられており、派手なモディファイが禁じられているだけでなく、タイヤも旧式のバイアススリックに限定。
現代的なラジアルスリックと違い、横方向へのグリップが低いため、軽微なドリフト状態のまま縦方向のグリップを用いて走行する、所謂『ゼロカウンター』のような走法が求められる。
マシンやエントラントの服装など、ビジュアルだけに留まらず、挙動や走らせ方、ドライバーの勇敢さまでもがFoSTの面白さを構成しているのだ。
盛り上がりを見せた新設クラス
FoSTでは車種や年代ごとに複数のレースクラスが設けられており、予選・決勝レースのほかパレードランも恒例となっている。
2026年春大会では、新たな試みとしてオースチン・ヒーレー・スプライトとMGミジェットによるワンメイクレース『スプリジェットトロフィー』が新設された。

スプライトとミジェットは英国を代表するライトウェイトスポーツカー。ノーマルではゆったりとしているものの、チューニングやドライバーのレベルによってはかなりのパフォーマンスを得られるため、これまでFoSTのみならず、他のイベントにおいても他車種と混走する形で参加することが一般的だった。
今回は単独クラスとしてレースが成立する台数が集まり、パレードランや特別展示も併催。
エントリー車両の顔ぶれも幅広く、本物のワークスマシンであるル・マン・スプライトやタルガ・フローリオ仕様のプロトタイプといった文化遺産的な車両から、若年のオーナーが乗る若葉マークの車両までが並び、スプリジェットという車種の歴史と多様性を感じる内容となっていた。
独特なアンプラグド感
筆者は平成生まれなので、1960年代のモーターレースがどんな景色だったのかは知る由もないのだが、FoSTに行くと、ビンテージのレースカーが発する生々しい音や燃えたオイルや匂いなど、旧き良き時代の片鱗を自らの五感で感じることができる。
袖ヶ浦フォレストレースウェイには観客スタンド席がないため、来場者はパドックを自由に歩き回りながら、ピットウォールやコースサイドのフェンス越しにレースを観戦することになる。

しかし、この距離感こそがFoSTがもつ独特なアンプラグド感を感じられるポイントと言える。
来場者は一切の隔たりなく、ドライバーやメカニック、そして車両と同じ空間を共有できる。出走前の緊張感やレース後の安堵感が漂う一方で、パドックの一角では参加者同士がテーブルを囲み、アフタヌーンティーを楽しむ光景も見られる。モータースポーツの緊張感とアナログな暖かさが共存する環境なのだ。
FoSTの価値は、単に古いレーシングカーが走ることだけではなく、モータースポーツや自動車趣味の文化そのものを、机上の知識ではなく肌で感じる体験として得られるところにある。
1960年代のモーターレースを実際に見たことがない筆者にとっても、当時を知るベテラン趣味人たちにとっても、FoSTは旧き良きアナログな時代へ最も近づける楽園なのだ。
画像 袖ヶ浦で開催されたビンテージカーのレースイベント『フェスティバル・オブ・サイドウェイトロフィー 2026 春』 全122枚



























































































































