新型ロールス・ロイス・ファントム試乗 類を見ない高級感と高品質 不動の最高峰

公開 : 2018.03.28 11:40


幽霊のように引き寄せられる中毒性

ロールス・ロイスファントムと比較してしまうと、メルセデス・ベンツSクラスの乗り心地は文化的に劣って感じられるし、ベントレーミュルザンヌのサスペンションが生む縦方向の動きは、詰めが甘いように思える。

どちらのクルマも、ドライバーにとってはより魅力的な素質を備えているし、ファントムよりも安価でもある。しかし、自分が幽霊(ファントム)にでもなったかのように、ファントムに惹きつけられてしまうという、パラドックス。

総量130kgにも及ぶ吸音材を用いた車内の静寂性は類を見ないレベルで、高速道路を飛ばしていても、歩いているような速度感覚に陥ってしまう。怖いのだが、これに中毒性があるのだ。

物理的にも電子制御の面でも、クルマに乗る、ということに関して必要最低限のものをドライバーやパッセンジャーに対して表面化させ、不要な情報や複雑な操作は一切求められない。ひとに対してすべての操作を要求する、普通のクルマとはまったく異なる次元だし、大いに歓迎すべき仕上がりだと思う。

ほかにも、8代目となるファントムにはここでは書ききれないほどの要素があるけれど、それはフルバージョンのロードテストに持ち越そう。いくつか気になる点もあり、それにもしっかり触れる予定だ。

next pageたぐいまれで申し分のない、究極の1台

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