初試乗 新型メルセデス-AMG G63 先代からの最大の違い「洗練性」

公開 : 2018.05.07 11:50  更新 : 2018.05.07 12:04

どんな感じ?

新型Gクラス 乗った印象どう違う

このクルマに乗れば、ハンドリングという長年避けてきた問題点が解決されたのがすぐにわかる。今回の試乗会は、綺麗なアスファルトが広がる、フランスのラングドック・ルシヨンで行われたので、なおさらだった。

現代的にアップデートされたフロントアクセルのおかげで、新型のステアリングは大幅に改善された。いっぽう、リアのリジッドアクセルも刷新された。トレーリングアームのそばに配置され、先代から引き続き、ラテラルロッドは好ましからぬ水平方向の動きを抑える。

もちろんボディロールはある。AMGモデルに装着されているグッドイヤー・イーグルF1の性能をフルに引き出そうとするとロールは特に顕著になる。しかし、ロールレートはステアリングへの入力とうまく釣り合っており、今までよりもかなり自信を持ってアクセルを踏むことができる。

同様に、重心が高いため、フロントタイヤがすぐに鳴いてアンダーステアを出してしまう。しかし、この新型Gクラスはそのタイミングが完全に予想できるので、それに対応したドライビングが可能だ。

コーナー進入時には、「基本、辛抱強くスムーズに」というルールを守れば、徐々に地面にトルクがかかって、リアを軸にしてバランスが得られる。

少々気むずかしく古風であることに変わりないが、楽しく滑稽なほどに速い。そしてトルクは前後50:50から後輪寄りの40:60にまで分配されるが、これによって運動性能が妨げられることはない。

乗り心地も劇的に改善した。Gクラスの全モデルでアダプティブ・サスペンションを採用し、幾つかのモードに変更できるので、今や長距離移動用のクルーザーとしても使うことができる。

ディファレンシャルからの奇妙な衝撃と、ハイスピード時の小さくない風切り音はあるものの、実用性と洗練度合いはGクラスのパッケージングの美点だといえる。

パワートレインや走破性も見ていこう。

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