【小変更でPHEV版を追加】ルノー・メガーヌ・スポーツツアラー E-テックへ試乗

公開 : 2020.09.10 10:20

ハンサムなスタイリングのメガーヌ・スポーツツアラーに、プラグイン・ハイブリッド版が登場。ライバルよりEVモードでの航続距離はやや短いものの、ドライビング体験の質感は上。英国では、充電器が標準で付くのも魅力です。

もくじ

EVモードでの後続距離は48km
洗練度は高いがリニアさに欠ける加速感
ドライビング体験もデザインも好印象
ルノー・メガーヌ・スポーツツアラー E-テック(欧州仕様)のスペック

EVモードでの後続距離は48km

text:Simon Davis(サイモン・デイビス)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
4代目ルノー・メガーヌ・スポーツツアラーがフェイスリフトを受けた。ボディやインテリアに小さな変更が加えられているが、注目ポイントはそれだけではない。

プラグイン・ハイブリッド(PHEV)が選べるようになったのだ。電気モーターとバッテリーが追加され、エコフレンドリーなワゴンになった。英国では税制面でも有利。

ルノー・メガーヌ・スポーツツアラー E-テック(欧州仕様)
ルノー・メガーヌ・スポーツツアラー E-テック(欧州仕様)

ハッチバックのクリオ(ルーテシア)と、クロスオーバーのキャプチャーにもハイブリッドが追加され、電動化技術の採用が一気に進んだといって良い。ハイブリッド・グレードを、ルノーではE-テックと呼ぶ。

将来的には、ルノー製の純EVへ、顧客を誘導したいところだろう。ちなみにルノーには、すでに純EVのゾエがある。

エンジンは、自然吸気の1.6L 4気筒ガソリン。小型の駆動用モーターと、スターター・ジェネレーターが組み合わされる。

クリオの場合、バッテリーの容量は1.2kWhと小さく、いわゆる普通のハイブリッド。しかしキャプチャーとメガーヌには、PHEVとして9.8kWhの大きなバッテリーが搭載されている。EVモードで走行可能な距離も長い。

このメガーヌ・スポーツツアラー E-テックでは、WLTP値で48kmの距離を電気の力で走行可能。カタログ上の燃費は77.1km/Lで、CO2の排出量は30g/kmしかない。

欧州でのライバルとなる、キア・シード・スポーツワゴンの場合、EVモードでの航続距離は少し長い56km。しかし、メガーヌを選ばないほどの大差とはいえないだろう。むしろ、洗練されたドライビング体験を得られるのはルノーの方だ。

洗練度は高いがリニアさに欠ける加速感

パワートレインの洗練度は素晴らしい。アクセルペダルを深く踏み込んでも、エンジンの主張はとても控えめ。100km/hを超えた辺りでやっと、ささやかなエンジンノイズが車内へ響いてくる。はっきりとエンジン音が車内に届く、キア・シードとは大違い。

EVモードで走行した後、エンジンが動力源と切り替わる場面もシームレス。評価できる点だといえる。

ルノー・メガーヌ・スポーツツアラー E-テック(欧州仕様)
ルノー・メガーヌ・スポーツツアラー E-テック(欧州仕様)

一方で、加速が鋭いわけではない。一般的な交通の流れでは、不満を感じることはないものの、少々物足りないことも事実。エンジン音が小さいためか、システム総合で160ps、0-100km/h加速9.8秒という数字ほど、速く感じられない。

短い加速車線からの高速道路への合流や、郊外の道での追い越し時では、期待通りの加速は得られないかもしれない。

また、リニアさにも欠ける。低回転域での加速はモーターがアシストしてくれるが、回転が上昇するとエンジンのトルクのみとなり、息苦しさが出てしまう。やや反応の遅い7速ATも、加速で冴えない印象を生む理由の1つだろう。

乗り心地は、舗装の管理が悪い英国でも、かなり良い。大きな隆起やうねりがあっても、落ち着いたまましなやかに均してくれる。

高速コーナリング時のボディロールも、良く抑えられている。前輪のグリップも充分で、穏やかな動的性能とのバランスも良い。

ステアリングホイールの操舵感は、ノーマル・モードなら自然。スポーツ・モードを選ぶと、やや人工的に重みが増すように感じられる。

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