レクサス RC / レクサス LF-NX

公開 : 2013.11.04 13:58  更新 : 2017.06.01 02:15

レクサスは、東京モーターショーで、新型クーペをワールドプレミアするとともに、フランクフルト・ショーで発表したコンパクトSUVの進化版をジャパンプレミアする。

新型クーペは「レクサス RC」のネーミングが与えられ、レクサスSCの生産完了以降不在になっていたラグジュアリークーペのラインナップを埋める市販モデルになる。ただし、「レクサス RC」は、現状クローズボディのクーペモデルとしてデザインされており、リトラクタブルハードトップを採用していたレクサスSCの実質的な後継モデルといえるものではない。BMWの4シリーズや、メルセデスのEクラスクーペをターゲットとした、新しいモデルと捉えるのが正しいだろう。

一方の「レクサス LF-NX」は、先のフランクフルト・ショーで発表されたコンセプトカーで、今回日本初公開となる。ただし、フランクフルト・ショーで発表されたモデルが、2.5リッターの直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドを採用していたのに対して、今回東京モーターショーに出展するモデルでは2リットル直4ターボのダウンサイジングエンジンを採用。車両もターボエンジンの採用に合わせて、内外装をモディファイしている。

レクサス RC

市販が予定されている「レクサス RC」は、全長4695×全幅1840×全高1395mm、ホイールベースは2730mmというディメンションだ。これは全長4640×全幅1825×全高1375mm、ホイールベース2810 mmのBMW4シリーズクーペにほぼ近いサイズになる。一昨年のパリ・サロンに登場したコンセプトカーLF-CCの市販版と考えて良いプロポーションだ。

エクステリアデザインには、レクサス LFAや、今年1月のデトロイト・ショーで登場したコンセプトカーのレクサス LF-LCのモチーフを使用。フロントバンパー左右に配置した縦型デザインのエアインテークや、テールライトやリアエンドのエアアウトレット風デザインに共通の意匠を見つけ出すことが出来る。テールライトに、ISシリーズの流れをくみながらも、それを進化させたレクサスの頭文字をイメージさせる明確な「L字」型のデザインを採用したこともトピックスであろう。

低くワイドなシルエットは、FRスポーツカーらしいもので、大きく張り出したフェンダーや、そこに収まる19インチのタイヤが存在感を主張。ひと目見て、「誰もがスポーティだと感じるビジュアルを持つクルマに仕立てたかった」というのがデザイナーの狙いだ。

一方インテリアは、クーペらしくスポーティなテイストでまとめられた。ダッシュボードの上部はレクサスISシリーズと共通だが、折り重ねられたデザインのセンターコンソール、ステッチを使ったドア内装のカラーリングやデザインなどラグジュアリークーペならではの、けれん味ある演出も加えられている。シートは新デザインの表皮一体型となる発砲シートで、スポーティなドライビングをサポートするアイテムだ。

エンジンは3.5ℓV6と2.5ℓのハイブリッドを用意。正式なスペックは東京モーターショーでのワールドプレミアまで待たなくてはならないが、3.5ℓエンジンは、最高出力234kW(318ps)、最大トルク 380Nm (38.7kg-m) を発生、2.5ℓのハイブリッドエンジンは直4エンジン+モーターの組み合わせで、最高出力131kW(178ps)+105kW (143ps)、最大トルク221Nm (22.5kg-m)+300kW (30.6Nm)という、レクサスIS譲りのスペックを誇ると見込まれる。

ちなみに車名の「RC」の「R」は、Radical(ラディカル)の頭文字から取ったのだという。ラディカルには「根本的」や「過激な」という基本的な意味の他に、日常会話に使用される米俗語として「すごい!」や「素晴らしい」、「めちゃくちゃ楽しい」という意味も含まれている。走る楽しさ=エモーショナルなC=クーペを目指すという意気込みが、車名にも表現されているのである。

レクサス LF-NX

ジャパンプレミアを果たすコンセプトカー「LF-NX」は、レクサス RXの弟分ともいえる全長4640×全幅1870×全高1620mm、ホイールベース2700mmというサイズを持つコンパクトSUVである。ライバルと目されるのはBMW X3やアウディ Q3など。全世界的に人気の、D-CセグメントのSUVという位置づけだ。

サイズはコンパクトながら、存在感はかなりのもでこれは、立体的で大きななスピンドルグリルや、サイドのブリスターフェンダーにオーバーフェンダーを加えたアグレッシブなデザインによるものだろう。ボディサイズはコンパクトSUVの範疇だが、アグレッシブでスポーティなイメージを前面に押し出し、エモーショナルなイメージを表現している。フランクフルト・ショーでの公開時には、「もの凄くスタイリッシュ」という肯定的な意見と、「やり過ぎ」という否定的ともいえる両極の意見が寄せられたとのことで、デザインチームはそうした反応を十分予想し、このデザインにGOサインを出したのだという。

レクサスの新しいエントリーSUVのラインナップを担う「LF-NX」の見どころは、エクステリア(ボンネット中央部)からダッシュボードを突き抜け、リアシートに至るまでの金属製フレーム。これを骨格みたて、SUVに相応しい力強い内外装を提案している。もちろんただ単に金属をイメージさせるモチーフを車体中央に通しただけではなく、そこに本革を縫い合わせレクサスのラグジュアリーなイメージも追加した。

ダッシュボードとセンターコンソールの組み合わせは、横から見ると立体的な「Z」型デザインに仕上げられており、これは中央部がせり出しているレクサスIS系のインパネデザインをさらに進化させたものと解釈できそうだ。そのセンター部分には、タッチパッド型の新型リモートタッチなど、先進のインフォテイメントデバイスも採用している。

パワートレーンはフランクフルト・ショーで公開時に採用していた2.5ℓの直列4気筒エンジン+モーターのハイブリッドシステムから、2ℓ直4ガソリン・ターボに変更。環境性能を打ち出した前作からパワフルなパフォーマンスをもたらすモデルまで、多彩なバリエーションを持つことを示唆する。

エンジンの変更に合わせて、内外装もスポーティにアレンジ。低めに設置されたフロントのアンダースポイラーや、力強いデザインのホイールの採用、ブルーから赤基調に変更されたインテリアカラーなどは、その表れである。

レクサスは、これまで「LF-○○」というネーミングのコンセプトカーを発表した後、それを数年以内に市販化している。すなわち「LF-○○」名付けられたコンセプトカーは、後の市販化を前提とした開発スケジュールに組み込まれていると考えることができる。いうことは、このモデルも「レクサス NX」として間もなく登場するの可能性が高い。東京モーターショーのレクサスブースに足を運び、ショー用の“衣装”を脱ぎ捨てた量産版「レクサス NX」のデザインを想像するのも楽しいはずだ。

(櫻井健一/ Photo:廣井 誠)

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