【PHEV版の長所と短所】メルセデス・ベンツCLA 250eシューティングブレークへ試乗

2020.11.21

サマリー

スタイル優先のワゴン、CLAシューティングブレークにPHEV版が登場。直接的なライバルが存在しないといえるほど、ユニークなパッケージングといえます。しかし複雑さや200kg増の車重が、良くない側面も生んでいるようです。

もくじ

ユニークなCLAシューティングブレーク
感心するほど優れるEVモードでの走り
8速ATやブレーキで感じる違和感
PHEVは人気を牽引できる要素になり得る
メルセデス・ベンツCLA 250eシューティングブレーク AMGライン・プレミアム(英国仕様)のスペック

ユニークなCLAシューティングブレーク

text:Lawrence Allan(ローレンス・アラン)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
ほかとは異なる、ユニークなボディスタイルも拡充を図るメルセデス・ベンツ。プレミアム・コンパクトに、稀有なパッケージングを備えたモデルが登場した。

どこもコスト削減が進んでいるから、個性的な存在は貴重。CLAシューティングブレークのプラグイン・ハイブリッド(PHEV)という選択肢の追加を、歓迎したい。グレードが増えすぎて、ややこしく感じる読者もいるかもしれないが。

メルセデス・ベンツCLA 250eシューティングブレーク AMGライン・プレミアム(英国仕様)
メルセデス・ベンツCLA 250eシューティングブレーク AMGライン・プレミアム(英国仕様)

メルセデス・ベンツはハッチバックのAクラスを基本に、7種類のボディ形式を展開している。プラットフォームは共通で、お互いにターゲット層を微妙に共有している。特にAクラス・サルーンとCLAサルーンは、重なりそうだ。

しかし、CLAシューティングブレークは、どれともかぶらない。唯一ライバルになりそうなモデルはキア・プロシードだが、向こうにはPHEVがない。CLA 250eは孤高の存在といっていい。

第2世代のCLAには、何度も試乗している。Aクラスのハッチバックで、250eに搭載されるガソリンエンジンのPHEVも体験済み。ざっくりおさらいしてみよう。

250eシューティングブレークが搭載するエンジンは、メルセデス・ベンツでおなじみの1.3L 4気筒ガソリンターボ。ルノー・日産・三菱との協働で開発されたユニットだ。

エンジンの最高出力は158psで、電気モーターが101psを加勢する。PHEVの一部ではエンジンが前輪を、電気モーターが後輪を受け持ち、四輪駆動となることも多い。だがCLAの場合は、電気モーターもエンジンと一緒に前輪を駆動する。

感心するほど優れるEVモードでの走り

燃料タンクを35Lに小型化し、搭載位置を見直すことで、リアシートの下に15.6kWhの容量のリチウムイオン・バッテリーを搭載。電気だけで69kmを走行可能としている。

このパワートレインのドライビング体験は、印象を大きく2つに分ける。PHEVとして重要なエコドライブでは、現行のCクラスが搭載するシステムのように、一歩進んだ感じを受ける。

メルセデス・ベンツCLA 250eシューティングブレーク AMGライン・プレミアム(英国仕様)
メルセデス・ベンツCLA 250eシューティングブレーク AMGライン・プレミアム(英国仕様)

CクラスのPHEV版よりボディが一回り小さいためか、CLA 250eをEVモードに保って運転するのは、想像以上に簡単。電気モーターだけで140km/hまで加速でき、高速道路での走行も難しくない。感心するほど。

バッテリーの残量がなくなったり、秘めた力をすべて発揮させようとするとエンジンが目覚める。電気モーターはエンジンのトルクを補完し、レスポンスも良い。発進加速時の反応や鋭さも好印象だし、中回転域でもCLA 250eはかなり活発に走る。

ここで、気になる側面が見えてくる。8速ATは燃費を稼ぐため、高い段数を保持しようとする。一方で3500rpmを超えると、エンジンの洗練性に陰りが出る。ノイズも振動も、ドライバーへ届くようになる。

ターボが回転するヒューンという音も、ホットハッチなら興奮を誘う要素だが、CLAでは違う。大きめのエンジンノイズと重なり、あまり良い印象は受けない。

安価なガソリンモデルなら、納得できるだろう。だが4万ポンド(540万円)もするメルセデス・ベンツとしては、少し興ざめといったところ。動的性能自体は悪くないだけに、残念だ。

 

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