【ミドV8にマネッティーノ】トゥーリング・スーパーレッジェーラ・アレーゼRH95へ試乗 前編

公開 : 2021.10.01 08:25  更新 : 2021.10.14 16:06

ディスコヴォランテ、エアロ3に続く第3段

創業から40年ほどの間に、スーパーレッジェーラと呼ばれる先進的な軽量ボディの製造技術も確立し、特許を取得。細い金属製パイプで格子状のベース構造を作り、その上に薄いアルミニウム製ボディパネルを被せることで、強度を確保するものだ。

軽く高剛性なことが特長で、手作業でのボディ製造に適していた。マセラティブリストルなど、多くの有名メーカーがその技術を採用している。アストン マーティンのDB4やDB5、DB6も同様だ。

トゥーリング・スーパーレッジェーラ・アレーゼRH95(欧州仕様)
トゥーリング・スーパーレッジェーラ・アレーゼRH95(欧州仕様)

ところが、シャシーとボディが一体となったモノコック構造が登場。専用ボディの搭載が難しい時代へ突入し、トゥーリング社の経営は悪化する。倒産は免れたものの、1966年に事業を終了してしまった。

それから40年後の2006年にトゥーリング社は再起。カロッツエリアの伝統として、美しく少量生産の特注モデルを製造している。

今回ご紹介するアレーゼRH95も、その1台。2016年に発表されたアルファ・ロメオ・ディスコヴォランテと、2020年のスーパーレッジェーラ・エアロ3に続く、第3段のモデルになる。

デザインチーフを務める、ルイ・ド・ファブリベッカーズ氏が解説する。「これまでの2台はフロントエンジンでしたが、これはミドシップのプロポーションを模索する、初めての例。機敏な操縦性を備えます」

「これまでの3台は、ビクトリー・グリルや水平基調のテールライト、滑らかで優雅な、女性的なボディ曲面などの特長で共通性を持っています。縦長のエグゾーストや主張の強いヘッドライトなど、ディティールの組み合わせでも」

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・ブレンナー

    Richard Bremner

    英国編集部
  • 撮影

    リュク・レーシー

    Luc Lacey

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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