なぜ? 黒基調の自動車ディーラー増えたワケ 黒を採用する/しない ねらいは

公開 : 2021.11.07 05:45  更新 : 2021.11.07 08:42

最近ブラック基調のディーラーが増えてきました。さまざまはメーカーにディーラーのイメージ戦略を取材しました。

黒色基調のディーラーが増えた

ここ最近、ディーラー店舗をブラック基調のデザインにするメーカーが増加傾向にある。

メーカーの顔といっても過言ではないディーラー店舗に、各メーカーが挙ってブラックを起用する理由は、一体どこにあるのだろうか。

関東マツダ高田馬場店
関東マツダ高田馬場店    関東マツダ

ブラックというカラーについて、カラーセラピーの世界では「神秘」や「沈黙」、「高級」や「重厚」、「リッチ」、「モダン」、「大人」、「洗練」、「孤高」、「陰/影」、「闇」、「虚無」などの、さまざまな意味を持つといわれている。

そのなかでも、メーカーがディーラー店舗のデザインを黒基調にする理由は、「高級感」や「洗練」などであることが安易に想像できるが、それではメーカーそれぞれの個性という部分を、どう考えているのだろうか。

いくら洗練された高級感ある店舗を展開したところで、差別化が図れなければ不利になることも考えられる。

そこで、実際にブラック基調のディーラー店舗を展開するメーカー、しないメーカーそれぞれに、ディーラー店舗に採用するカラーの持つ意味を聞いてみた。

マツダ「ソウルレッドを魅せる」

2014年より、モノトーンとシルバーの内外装に、黒を基調とした専用のファシリティサインやウッドを用いたアクセントなどを採り入れた店舗デザインを展開するマツダは、「品格や質の高さと温かみが調和された、居心地の良い空間の提供を目指した店舗づくりをおこなっている」という(マツダ国内広報部国内商品グループ藤井氏)。

そして、スカイアクティブ技術を搭載した新世代商品ラインナップの拡充にあわせて、器となる店舗も魅力あるものに成長させる必要があると考え、新世代店舗の全国展開をスタートさせた。

関東マツダ高田馬場店
関東マツダ高田馬場店    関東マツダ

そんなマツダのディーラー店舗は、「『マツダらしさ/心がときめく』店舗デザイン、『マツダのクルマの魅力が引き立つ』新車ショールーム、『絆が強まる』店舗ゾーニングの3つの提供価値と、『品格あるたたずまい』、『惹きつける力』、『クルマを美しく魅せる』、『居心地のよいしつらえ』の4つの店舗デザインコンセプトを規定したガイドに基づいて、黒基調となった」と説明する。

なお、これらのガイドラインに基づくデザインとしてブラックを起用した理由としては、「ブランドカラーであるソウルレッド(赤)を際立たせるために、ブルーなどのレッドと喧嘩をしてしまうカラーではなく、無彩色であるブラックをベースとするという結論に至った」という。

また、無彩色を基調とすることで冷たいイメージとなることを避けるために、ウッドや石材などの天然素材を使用。

温かみを演出するなど、細部まで、そのこだわりに抜かりはない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    先川知香

    Chika Sakikawa

    ツインリンクもてぎで見たMotoGPの一糸乱れぬコーナリングを見て、バイクでのサーキット走行に興味を持ち、モータースポーツの世界へ。乗り物を操作する事の楽しさに目覚め、モータージャーナリストに。愛車はトヨタ86/カワサキZ400/GASGAS TX200。大型自動二輪免許に加え、暇だったという理由で大型一種免許を取得した。
  • 編集

    上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。

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