1990年代日本車や欧州車から1950年代デトロイト製大型車まで ずらりと並ぶ廃車に残された「物語」 40選(中編)【ジャンクヤード探訪記】

公開 : 2026.04.26 11:25

米国の巨大ジャンクヤードを巡り、スクラップ同然のクルマにレンズを向ける探訪記シリーズ。今回は、乾燥したコロラド州の大平原で見つけた数千台の車両の中から、特に興味深い日米欧のクラシックカーを紹介します。

エドセル・コルセア – 1958年

このエドセル・コルセアには、ある物語が秘められている。ドン・ウォラーさんによると、この車両の元オーナーは自分の孫に「おじいちゃんのエドセル」の修復を任せたことがあるそうだ。孫は分解作業を始めものの、すぐに陸軍に入隊し、そのまま戻ってくることはなかったという。車両は部分的に分解されたまま最終的にウォラー・オートパーツに流れ着き、1973年頃からここに保管されている。

元々は4バレルキャブレター付きの大排気量V8エンジンを搭載し、パワーステアリング、パワーブレーキ、さらには電動ワイパーまで装備していた。クラシックカーの多くは機械的な故障ではなく、ちょっとした運命のいたずらによって、このようなジャンクヤードにたどり着く。そんなことを改めて思い起こさせる1台だ。

エドセル・コルセア - 1958年
エドセル・コルセア – 1958年

フォード・テンポ

1980年代後半のフォード・テンポだが、なんとも哀れな最期だ。ぶつけられ、酷使され、部品を一部剥ぎ取られただけでも十分ひどいのに、今ではこの敷地に住み着いたラマたちの糞の山に半分埋もれているようだ。新車当時のテンポは、信頼性の高いフォードのコンパクトファミリーセダンであり、2000年代初頭まで米国の道路でよく見かける存在だった。もし元のオーナーが今の姿を見たら、一体どう思うだろうか。

フォード・テンポ
フォード・テンポ

プリムス・ベルベディア – 1960年

この1960年式プリムス・ベルベディアは、1974年からドン・ウォラーさんの所有下にある。ウォラーさんはしばらく運転した後、この場所に駐車し、それ以来動かしていない。V8エンジンと3速マニュアル・トランスミッションを搭載し、当初はプッシュボタン式ラジオが装備されていた。エアクリーナーが欠けているものの、ほぼ完全な状態に見える。

ウォラーさんによると、ボディの下部はしっかりしており、目に見える錆穴はなく、クォーターパネルにわずかな錆が見られる程度だという。

プリムス・ベルベディア - 1960年
プリムス・ベルベディア – 1960年

フォード・マスタング – 1968年

ここにある多くのプロジェクトカー(レストア用車両)と同様、この1968年式フォード・マスタングも内装が取り外されたうえで、丁寧に保管されている。ウォラーさんがこうしているのは、購入希望者がフロアの状態を確認できるようにするためだ。この個体は追突事故に遭っており、それが原因で走行できなくなってしまった。

元々はV8エンジン、オートマティック・トランスミッション、エアコンを装備し、3800ドル(約60万円)で出品されていた。ウェブサイトによるとすでに売却済みとのことなので、再び疾走する機会を得られるかもしれない。

フォード・マスタング - 1968年
フォード・マスタング – 1968年

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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