新型ホンダ・ステップワゴン ミニバン界の功労者 歴史を振り返る

公開 : 2022.01.03 08:25  更新 : 2022.06.07 19:17

大きくなった2代目、小さくなった3代目

1996年登場の初代から、わずか5年後となる2001年4月に、ホンダは第2世代の新型「ステップワゴン」を投入する。

第2世代モデルはエンジンを収納するボンネットを短くして、その分、室内空間を拡大。

ホンダ・ステップワゴン(3代目)。先代に比べボディが小さくなった。
ホンダ・ステップワゴン(3代目)。先代に比べボディが小さくなった。    ホンダ

フルフラットモードなど多彩なレイアウトを可能とする3列シートも採用した。

そんな第2世代の「ステップワゴン」は、2001年に約11万台を売り、年間販売ランキング5位を獲得。初代と同様の勢いを見せた。

ところが2002年は11位、2003年は13位、2004年は20位とズルズル順位を落としてしまった。

この不振の理由としては、トヨタから2000年に新型「エスティマ」、2001年に「ノア」と「ヴォクシー」という強力なライバルが投入されたことが考えられる。

そして2005年5月にホンダは、第3世代となる新型「ステップワゴン」を投入。

第2世代の5年ぶりよりも、さらに短い4年目でのフルモデルチェンジを実施した。

この第3世代は新しい低床プラットフォームを採用することで、従来同等の室内空間を保ったまま、クルマの全高を75mm下げ、全長も45mm短縮。

小さくすることで取り扱いの良さを図ったのだ。

そして、3代目「ステップワゴン」は、2005年に約9万2000台を売り、販売ランキング7位、翌2006年に6位を獲得するものの、2007年は15位、2008年は20位と順位を落とす。

ちなみに2005年に日産から新型「セレナ」、2006年にはトヨタの新型「エスティマ」というライバルも登場している。

5代目で「わくわくゲート」登場

第4世代の「ステップワゴン」の登場は2009年10月。

先代モデルはボディを小さくしたが、今度の新型では全高45mm、全長50mm拡大。ボディを再び大きくしたのだ。

ホンダ・ステップワゴン(5代目)。画像はテールゲートが2分割する「わくわくゲート」搭載モデル。
ホンダ・ステップワゴン(5代目)。画像はテールゲートが2分割する「わくわくゲート」搭載モデル。

また、先代の後期に追加されたカスタムバージョンの「ステップワゴン・スパーダ」も最初からラインナップに用意されていたのもの特徴だ。

この第4世代モデルは、登場翌年の2010年に年間販売ランキング7位、2011年に11位、2012年に9位、2013年に10位となった。

2代目や3代目よりも息の長い売れ方をしたのだ。

そして2015年4月に現在まで続く、第5世代の「ステップワゴン」が登場する。

このモデルの特徴は、テールゲートに採用された「わくわくゲート」にある。

「わくわくゲート」とは、従来のテールゲートと同じように上下に開くだけでなく、ゲートの半分だけを横にも開閉できるようにしたものだ。

床下収納可能な3列シートとあわせることで、テールゲートからの乗降や、荷室への荷物の積み下ろしを容易にすることができる。

また、1.5Lのターボエンジンを搭載したのもトピックとなる。

ところが、この第5世代モデルの売れ行きは芳しいものではなかった。

発売翌年となる2016年の年間15位を最上位として、2017年には23位まで落下。

販売台数も年間5万台程度で推移し、2020年は約3万4000台にまで減ってしまっているのだ。まさに苦戦といったところだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    鈴木ケンイチ

    Kenichi Suzuki

    1966年生まれ。中学時代は自転車、学生時代はオートバイにのめり込み、アルバイトはバイク便。一般誌/音楽誌でライターになった後も、やはり乗り物好きの本性は変わらず、気づけば自動車関連の仕事が中心に。30代はサーキット走行にのめり込み、ワンメイクレースにも参戦。愛車はマツダ・ロードスター。今の趣味はロードバイクと楽器演奏(ベース)。
  • 編集

    AUTOCAR JAPAN

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    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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