世界最大の自動車工場 32選 後編 次々とクルマが作られていく超巨大ファクトリー

公開 : 2022.01.22 18:25

年間生産台数が世界で最も多い自動車工場を紹介。広大な敷地で数千人規模の従業員が働く産業の要です。

SAIC-GM-ウーリン: 中国重慶市 – 40万台

重慶工場は、SAIC(上海汽車)、GM、ウーリン(五菱)の3社が共同で開発した3番目の工場である。当初から年間40万台の生産という野心的な目標をもって設計され、これにより合弁会社の中国国内での総生産台数は年間200万台となる。

重慶工場は15か月かけて建設された。SAICが50.1%、GMが44%、ウーリンが5.9%を出資している。

SAIC-GM-ウーリン
SAIC-GM-ウーリン

ステランティス:スペイン・ガリシア州ビーゴ – 40万台

ビーゴ工場は1958年、スペインと北アフリカ市場向けにシトロエン2CVバンを生産したのが始まりだ。1970年代、プジョーシトロエンの株式を取得すると、この工場はプジョー504の生産を開始。2014年から2018年にかけて、工場は抜本的に改装された。

スペインの港町に位置するビーゴ工場では、操業開始以来1500万台以上が出荷され、現在6500人の従業員が働いている。

ステランティス
ステランティス

BMW:米サウスカロライナ州スパルタンバーグ – 41万1000台

BMWは、米サウスカロライナ州のスパルタンバーグ工場で、SUVモデルの大半(X3、X4、X5、X6、X7)を生産している。そのうち、X3とX5が年間生産台数の約4分の3を占めている。

1994年の操業開始以来、BMWはこの工場で480万台以上を生産してきた。従業員数は1万1000人以上で、作られた製品は125か国に輸出されている。

BMW
BMW

マツダ:山口県防府市 – 41万6000台

マツダの防府工場は、瀬戸内海に面する山口県の中南部に位置し、年間41万6000台を生産することができる。CX-5マツダ6を中心に、CX-3マツダ2も生産している。

防府工場は、多くの自動車工場のようにベルトコンベアを使っていない。このため、作業員は車両の周囲に容易に立ち入ることができ、生産ラインを組み替えて別のモデルを作ることも簡単だ。

マツダ
マツダ

テスラ:米カリフォルニア州フリーモント市 – 49万台

テスラのフリーモント工場では1万人以上が働いており、年間最大49万台の自動車を生産する能力を持っている。敷地全体は150万平米の広さで、2012年6月に最初のモデルSが出荷された。フリーモント工場の特徴は、天窓から自然光が入ること、フードトラックが従業員の食事をサポートすることだ。

テスラは2010年にトヨタからこの工場を買い取った。それ以前は、トヨタとGMが合弁で設立したNUMMI(ニュー・ユナイテッド・モーター・マニュファクチャリング)社が運営し、さらにそれ以前の1962年から1982年まではGMが運営していた。

テスラ
テスラ

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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