キア・シード 1.0T-GTiへ試乗 1.0L 3気筒ターボ エントリーでも仕上がり上々

公開 : 2022.02.12 08:25

韓国キアのコンパクト・ハッチバックがフェイスリフト。1.0Lのエントリーグレードを英国編集部が評価しました。

新ブランドロゴに合わせてフェイスリフト

韓国キアのブランドロゴが新しくなった。日本では馴染みがないと思うが、AUTOCARの英国サイトでは、このニュースが過去最高のアクセス数を稼ぎ出している。

単に多くの注目を集めただけでは終わらない。ブランドロゴを変えるということは、ブランディングにも影響を与えるし、様々な場所に用いられているロゴを、すべて変える必要がある。

キア・シード 1.0T-GTi 2(英国仕様)
キア・シード 1.0T-GTi 2(英国仕様)

ディーラーは店舗の看板だけでなく、名刺など細かな印刷物まで作り直す必要がある。もちろん、クルマのノーズに付くエンブレムも同じだ。

今回試乗したのは、フェイスリフトを受けたキア・シード。この小さなハッチバックにも、ちゃんと新しいキアのロゴが貼られている。

それ以外の変更点を確認してみると、フロントバンパーに手が加えられている。デザインを変えた、とは表現できないほど僅かに。両端には、エアインテーク風の処理だった部分が塞がれ、縦長のスリット風の溝とフォグライトが与えられた。

フロントグリルも、クロームメッキの処理が変えられている。リア側はさらに変化が小さい。正直いって、筆者はフェイスリフト前後では違いがわからず、写真をパソコン上で重ね合わせて比べてしまったほど。

かといって、シードが大きくデザインを変える必要性はなかった。以前から、スタイリングは褒められるものだったと思う。今でもその印象は変わらない。

品良く運転できる1.0Lターボと6速MT

インテリアでは、ダッシュボード中央のタッチモニター周辺のデザインがシンプルになっている。エアコンの操作系には、実際に押せるハードボタンが残された。シガーソケットのほかに、USBポートも用意されている。

ここ数年間で、自動車のインテリアは大きな変化を遂げたな、と実感してしまった。お手頃なハッチバックでも。

キア・シード 1.0T-GTi 2(英国仕様)
キア・シード 1.0T-GTi 2(英国仕様)

今日の試乗車は、キア・シードのエントリーグレードで、エンジンは3気筒1.0Lガソリンターボ。英国価格は2万105ポンド(約311万円)となり、フォード・フォーカスのエントリーグレードより2000ポンド(約31万円)もお安い。

最高出力119ps、最大トルク17.5kg-mを発生し、動力性能でもフォーカスと互角。0-100km/h加速には11.2秒が必要で、少々出遅れるものの、大きな差とまではいえないレベルではある。

スペック上では、最大トルクは1500rpmほどで得られ、シングルスクロール・ターボには高圧のダイレクト・インジェクションが組み合わされている。それでも、必要な加速を得るには、2000rpm以上の回転は欲しい。

高回転域でも、エンジンは粗野にはならない。6速MTでテンポ良くシフトアップしていけば、とても品良く運転できる。BGMとして3気筒らしいパタパタというノイズが聞こえるものの、気張っても耳障りなほどではない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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