キア・シード 1.0T-GTiへ試乗 1.0L 3気筒ターボ エントリーでも仕上がり上々

公開 : 2022.02.12 08:25

印象的なほどに快適で上々な仕上がり

エンジンはレブリミット付近まで引っ張っても、目立ってパワーが高まるわけではない。回りたがりでもないから、中回転域を活用した方が無駄はないといえる。穏やかな加速は、シードのキャラクターにも合っている。のんびり景色を楽しむのが良さそうだ。

タイヤサイズは、16インチの205/55。このクラスとしては印象的なほどに快適で、鋭い隆起部分やワダチを斜めに横断するようなことがなければ、落ち着きも失いにくい。

キア・シード 1.0T-GTi 2(英国仕様)
キア・シード 1.0T-GTi 2(英国仕様)

コーナーでのボディロールも、感心するほど抑えられている。全体的な印象としては、2万ポンド(約310万円)前後のクルマとしては上々な仕上がりにあると思う。

近年のキアは、価格重視の自動車メーカーからの脱却を図っている。2018年発表の現行シードには、手頃な部品を集めたような従来のキアらしさが残ってはいるものの、ソツのないまとまりにはある。偽りのない、実直さを感じる。

フォード・フォーカスのように、洗練されたハンドリングを備えているわけではない。しかし日常的な環境にいる限り、それに近い走りを享受できると思う。

シードに限っては、まだ新しいブランドロゴほどの変化はない。それでも、充分に検討する価値のあるハッチバックだ。キアのエントリーグレードとして、近づきやすい入り口だと思う。

キア・シード 1.0T-GTi 2(英国仕様)のスペック

英国価格:2万105ポンド(約311万円)
全長:4310mm
全幅:1800mm
全高:1447mm
最高速度:189km/h
0-100km/h加速:11.2秒
燃費:19.2km/L
CO2排出量:119g/km
車両重量:1362kg
パワートレイン:直列3気筒998ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:189ps/6000rpm
最大トルク:17.5kg-m/1500-4000rpm
ギアボックス:6速マニュアル

記事に関わった人々

  • 執筆

    ピアス・ワード

    Piers Ward

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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