スバル・ソルテラ&トヨタbZ4X比較試乗 兄弟BEVの「美点と違い」 迷ったらどちら?

公開 : 2022.06.06 00:01

スバル・ソルテラとトヨタbZ4Xを比較試乗。走りのプレミアム感は〇、両車の違いとともに解説します。

比較試乗 名古屋から金沢へ

ついに話題のBEVを公道で試乗することができた。

トヨタbZ4Xスバルソルテラである。

スバル・ソルテラ
スバル・ソルテラ    スバル

これまでbZ4Xは袖ケ浦フォレストレースウェイにて、ソルテラは雪深い群馬サイクルスポーツセンターでそれぞれプロトタイプのプレス向け試乗会がおこなわれており、筆者もソレテラは体験済み。

とはいえ雪の中だったので、「AWDのBEVらしいシームレスな走り」は体感できたが、クルマ自体の完成度を理解するところまではいっていかなかった。

今回の試乗会は名古屋から金沢まで中部地方を北上するコースでおこなわれた。

コースの中ほどにある郡上八幡でbZ4Xとソルテラを乗り換えるかたちで半々で試乗したのだ。

前半は104km、後半は154kmの距離を走る設定。

これだけならWLTCモードで1充電走行距離が542km(ソルテラのAWDモデル、ET-SS)もあるので楽勝? と思いきや、次の試乗者のために前半は200km、後半は50km以上の走行可能距離を残すべし、という特別ルールがあった。

それとスタート時の走行可能距離との兼ね合いにより、必ず途中の充電スポットに立ち寄らなければならない設定になっていたのである。

「充電も含めたBEV試乗」というと聞こえはいいけれど、やはりBEVでロングドライブをしようと思ったら、ガソリン車よりも綿密な計画性が重要になる。

では出発してみよう。

走りのプレミアム感はハリアー

われわれの試乗したソルテラは上級モデルのET-HS、駆動はAWDだった。

走りはじめていきなり「?」となったのは、スタート時に372kmあった走行可能距離がものの1分で274kmまで目減りしていたこと。

トヨタbZ4X
トヨタbZ4X    吉田拓生

エアコンを入れただけで、エラく電気を喰うのだ。

ソルテラの1充電走行距離(WLTCモード)はFWDなら567kmだが、18インチタイヤのET-SSは542km。

20インチを履くET-HSになると487kmまで落ち込む。さらにエアコンonで2割くらい減ってしまう!

それでもスバルいわく「他社のBEVと比べればカタログ値との乖離が少ない」のだそうだ。

燃費関係はこれくらいにして、本題であるクルマのフィーリングについて。

これは本当に優秀だと思った。

走る曲がる止まるの部分、そしてスロットルやステアリング、インフォテインメントなどの操作系はおおよそガソリン車から乗り換えても違和感がなさそう。

そして例えばトヨタでいえばハリアー、スバルならフォレスターと比べても、走りのプレミアム感においてそれらを完全に凌駕している。

モーターの静けさに対するロードノイズやボディの風切音などのバランスの良さがプレミアム感に繋がっているのだ。

前後に配置された80kWhのモーターによる加速は驚くほどのものではないが、パワーの角が丸められており、知的な雰囲気すら漂う。

これらは両車に共通する印象なのだが、ガソリン車から乗り換えるユーザーに配慮したすばらしい味付け、そして完成度の高さなのだと感じた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。BMW 318iコンパクト(E46)/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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