スズキ・スペーシア・ベース登場! まさかの軽商用の新型 価格/スペック/内装/車中泊を解説

公開 : 2022.08.26 11:03  更新 : 2022.08.26 12:10

内装 ブルーのアクセントで差別化

インテリアのデザインも、基本的に他のスペーシア・シリーズと変わらない。

エクステリア同様にスーツケースをモチーフとした意匠が取り入れられ、助手席前のグローブボックスには、ボディサイドのビードと似た凹凸がデザインされている。

スペーシア・ベースXFの内装。マルチボードを下段(の前方)に設置した状態。車中泊の就寝時に適している。ボードの下に高さ165mmのスペースがあり、荷物を保管可能。下段の前方にボードを設置すると、横たわったまま、手探りで荷物を取り出せる。
スペーシア・ベースXFの内装。マルチボードを下段(の前方)に設置した状態。車中泊の就寝時に適している。ボードの下に高さ165mmのスペースがあり、荷物を保管可能。下段の前方にボードを設置すると、横たわったまま、手探りで荷物を取り出せる。    宮澤佳久

他のスペーシアでも、エアコンの吹き出し口やドア内張りなどにアクセントカラーが採用されているが、スペーシア・ベースでは、グレイッシュブルーと呼ばれる「灰色がかった濃いめの青」がアクセントカラー。

この色をグローブボックスやドア内張りなどに用いており、好きなものを気兼ねなく積める実用性と、力強さを感じさせる渋カッコいいアクセントとしている。

運転席まわりでは、倒すとテーブルになる助手席シートバックに、物が落ちにくい外周枠を付けて、底面には傷が目立ちにくいシボを採用。

シート地は、フロントに撥水ファブリック、リアに防水PVCを採用し、濡れたものでも気兼ねなく使え、汚れてもすぐに拭き取れる。

さらに、フロントシートの頭上にはオーバーヘッドシェルフ(最大積載量は1.5kg)を、リアクォーターパネルの内側部分にはポケットが備わるなど、仕事にも遊びにも使えるクルマとして機能性を高めている。

マルチボードとは? 車中泊/テレワークに

軽商用車は、開口部の縦と横の長さが800mm以上、荷室の床面積が0.6平方メートル以上、そしてリアシートを起こした状態でラゲッジスペースはリアシートのスペースより広くなければならない、などといった基準がある。

そのため、スペーシア・ベースは商用車化されたことでリアシートは簡略化された。その代わり、荷室長は1205mm、荷室床面幅は1245mm、荷室高は1220mm(いずれも2名乗車時)という、軽自動車としては十分に広いラゲッジスペースを手に入れた。

マルチボードを中段に設置。車中泊の食事時、テレワークのデスク、移動販売などを想定したモードだ。ボード下に高さ290mmの空間を確保。
マルチボードを中段に設置。車中泊の食事時、テレワークのデスク、移動販売などを想定したモードだ。ボード下に高さ290mmの空間を確保。    宮澤佳久

フロアは樹脂製で、リアシートをたたんだときはフルフラット・フロアにできるカバーも備わる。そして、スペーシア・ベース最大の売りは、標準装備されたマルチボードだ。

ラゲッジスペースの左右側面にボードをセットできる溝が刻まれており、10か所のユーティリティナットと組み合わせれば、さまざまなカスタマイズが可能。

マルチボードを、上段(フロアから430mmの高さ)にセットすれば、シートバックをたたんだリアシートに腰掛けて、モバイルオフィスにしたり、作業現場での打ち合わせにも使える。

中段(同290mmの高さ)にセットすれば、リアシートを全倒ししてテレワークのデスクにしたり、移動販売にもピッタリ。

そして下段(同165mmの高さ)にセットして、フロントシートを前に出して、ヘッドレストを外してシートバックを倒すと、ほぼフラットな空間となり、オプションのマットを敷けば車中泊も可能だ。また下段は、前方・後方の2つの位置を使い分けられる。

さらに、マルチボードを立ててセットすれば(次項の写真)、荷室は奥行き545mm、リアシート部は奥行き805mmのセパレートされたスペースとなり、ペットを連れての旅行や、スーツケースなどの積載にも最適なのだ。

記事に関わった人々

  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。

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