マクラーレン750S 「簡単」ではなかった6年目の進化 年内の枠、完売の反響

公開 : 2023.09.03 10:25

1番の進化点はどこ?

ーーさまざまな部分が720Sから刷新された750Sですが、特にその違いを体験してほしいのはどこでしょうか?

「まずは第3世代へと進化したプロアクティブ・サスペンション、PCCIIIを用いたシャシーのフィーリングを味わってほしいですね。同時にフロントのスプリングは3%ソフトに、リアは4%ハードにセッティングを見直し、ダンパーやアキュムレーター、ジオメトリーの変更も行っています。ブレーキシステムやギア比も、よりスポーティな走りを楽しむために改善を施しました」

720Sと比較して、2脚で17.5kgも軽量化されたというシート。
720Sと比較して、2脚で17.5kgも軽量化されたというシート。    マクラーレン・オートモーティブ

ーーアルトゥーラではPHEVのシステムを導入しましたが、将来的にマクラーレンはさらなる電動化のプランをお持ちなのでしょうか?

「輸出市場での各国の規制があるので、PHEVは重要な位置を占めるプロダクトだと思います。ただ重量が大きくなるBEVなどについては、バッテリーやパワートレインの軽量化が重要であり、まずはその技術的な進化を追求していきたいと考えています。マクラーレンとしては現在の段階では、その計画はないとお答えします」

ジャパン・プレミアの会場で見た750Sは、コンパクトなデザインに変化したフロントのアイソケットを始め、より機能性を高めたインテリアに至るまで、確かに720Sからの正常進化というものを感じさせる1台だった。

それはマクラーレンにとって、新たな時代の幕開けを飾るモデルといっても過言ではないだろう。

マクラーレン750S スペック

価格:3930万円~(クーペ)
全長:4569mm
全幅:1930mm(ミラーを除く)
全高:1196mm
最高速度:332km/h
0-100km/h加速:2.8秒
乾燥重量:1277kg(クーペ)
エンジン型式:3994cc V8ツインターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:750ps/7500rpm
最大トルク:81.6kg-m/5500rpm
ギアボックス:7速DCT

日本価格はクーペが3930万円~。スパイダーが4300万円~。グローバルでのデリバリー開始は2023年第4四半期を予定している。
日本価格はクーペが3930万円~。スパイダーが4300万円~。グローバルでのデリバリー開始は2023年第4四半期を予定している。    マクラーレン・オートモーティブ

記事に関わった人々

  • 執筆

    山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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