新型アクセラの純エンジンモデルには1.5ℓ、2.0ℓ、2.2ℓディーゼルの3種があるが、それぞれきちんと魅力がある。最も安価な1.5ℓでも、内外装にハッキリとした安物感が漂わないのも嬉しい。1.5ℓエンジンはさわやかに吹け上がり、限界は高くないが回頭性は軽快で、エンスーなM/Tもあって200万円以下とは、運転好きにとっては大きな魅力だ。歴代アクセラの1.5ℓは常に“隠れた佳作”だったが、その伝統は今回も健在。プロト時点では未完成な部分が目立った2.0ℓは1.5ℓよりシュアでシャープな操縦性、ベッタリ落ち着いたスタビリティ、あらゆるシーンで不足を感じない動力性能……と価格なりのありがたみを確実に感じさせるものに仕上げてきた。中間グレードゆえにカタログスペックはなんとなく目立たないが、トータルバランスが最も取れているのはたしかである。

納車が年明けとなるディーゼルの試乗は、クローズドコースで限界の70~80%の走行ペースに制限された。その領域で走るかぎりは、乗り心地は最もフラットで重厚。ほかのモデルでは操舵レスポンスに対して軽すぎるきらいがあったパワステも、ぴたりとバランスしており、ちょっとした高級スポーツの味わいを醸し出す。限界域ではまた印象は異なるだろうが、通常領域では2.0ℓより100kg以上プラスされる前軸荷重がいい方向に効いている。アテンザやCX-5より軽量だから動力性能も強力そのもので、トップ6速の1000rpm以下からでも着実に加速していく地の底から湧き出るようなトルクには笑ってしまう。ガソリン車はA/TとM/Tで一長一短の新型アクセラだが、異次元のディーゼルトルクはぜひM/Tで。

(文・佐野弘宗　写真・花村英典)

マツダ・アクセラ・スポーツXD(6AT)&ハイブリッドS Lパッケージ

価格	298.2万円	262.5万円
0-100km/h	na	na
最高速度	na	na
燃費	na	30.8km/ℓ
CO₂排出量	na	75g/km
車両重量	1450kg	1390kg
エンジン形式	直4DOHCディーゼル・ターボ, 2188cc	直4DOHC, 1997cc
エンジン配置	フロント横置き	フロント横置き
駆動方式	前輪駆動	前輪駆動
エンジン最高出力	175ps/4500rpm	99ps/5200rpm
エンジン最大トルク	42.8kg-m/2000rpm	14.5kg-m/4000rpm
圧縮比	14.0:1	14.0:1
変速機	6段A/T	電気式無段
モーター出力/トルク	―	82ps/21.1kg-m
システム出力/トルク	―	136ps/―
馬力荷重比	121ps/t	97.8ps/t
全長	4460mm	4580mm
全幅	1795mm	1795mm
全高	1470mm	1455mm
ホイールベース	2700mm	2700mm
燃料タンク容量	51ℓ	45ℓ
荷室容量	364ℓ	312ℓ
サスペンション(前)	マクファーソン・ストラット	マクファーソン・ストラット
(後)	マルチリンク	マルチリンク
ブレーキ(前)	Vディスク	Vディスク
(後)	ディスク	ディスク
タイヤ	215/45R18	205/60R16