クラスど真ん中を見事に突く ヒョンデ・アイオニック3 ロングレンジ(2) 欧州で開発を煮詰めたシャシー 高性能な「N」も期待

公開 : 2026.10.28 18:10

EVシリーズのエントリーモデルでエアロハッチと呼ばれる、ヒョンデ・アイオニック3が登場しました。中国銘柄へ太刀打ちできる価格を実現し、「クラスのど真ん中を見事に突く完成度」とUK編集部は評価します。

加速は不足なく活発で車内は非常に静か

ヒョンデ・アイオニック3のパワートレインは2種類。42.2kWhに146psの組み合わせでは、航続距離は342kmが主張される。61.0kWhに134psのペアでは、495kmへ伸びる。いずれも同クラスの電動ハッチバックとして、競争力は高い。

今回試乗したのは134psの後者、ロングレンジだが、発進加速は不足なく活発。追い越し車線でも、余力が残る。少し冷めたホットハッチ、とまでは呼べないとしても。

ヒョンデ・アイオニック3 ロングレンジ Nライン・エボ(欧州仕様)
ヒョンデ・アイオニック3 ロングレンジ Nライン・エボ(欧州仕様)

高く評価したいのが、ブレーキ。ステアリングホイール裏のパドルで回生ブレーキの効きを効果的に調整できるうえ、ブレーキペダルを踏んだ時の反応も自然で、制動力を細かく滑らかに調整しやすく感じた。

空気抵抗を抑えたアイオニック3だけあって、走行中の車内は非常に静か。ヒューンという高周波は聞こえるが微かで、タイヤやサスペンションのノイズも良く遮断されている。ドアミラーが大きく、風切り音は少々目立つけれど。

欧州で開発を煮詰めた乗り心地と操縦性

乗り心地は、マンホールの凹みや路面の隆起を低速で通過すると、多少硬め。しかし、速度域が上がるほどしなやかさは増し、グレートブリテン島並みに路面の荒れたトルコでも、充分に落ち着いていた。欧州で開発を煮詰めた、と主張されるだけある。

アルミホイールは、18インチと19インチの両方を試したが、快適性に大きな違いはない様子。ベースグレードでは、16インチになる。

ヒョンデ・アイオニック3 ロングレンジ Nライン・エボ(欧州仕様)
ヒョンデ・アイオニック3 ロングレンジ Nライン・エボ(欧州仕様)

ステアリングは、路面からのフィードバックが乏しいものの、重み付けは丁度良い。切り始め直後から反応は自然で、正確に狙ったラインをトレースしていける。グリップ力も高く、カーブを素早く駆け抜けるという走り方も楽しめる。

アイオニック5のような、鋭い反応やライン調整のしやすさまでは備わらない。カーブではボディロールが大きめで、姿勢制御もマイルドといえ、ノーズの反応は穏やか。それでも、扱いやすく運転しやすい。高性能な「N」も、期待できそうだ。

試乗時の電費は平均6.4km/kWh

電費は、様々なルートを走らせた今回の平均で6.4km/kWh。トルコの高速道路の制限速度は140km/hだが、流石にこの速度域では電費が悪化していた。

DCの急速充電は最高115kWまで対応し、最短30分で残量10%から80%へ回復できる。数字的には平均的といえるが、ヒョンデの技術者は高い充電速度を維持できるよう、開発したとしている。車載の充電器は、11kWに対応する。

ヒョンデ・アイオニック3 ロングレンジ Nライン・エボ(欧州仕様)
ヒョンデ・アイオニック3 ロングレンジ Nライン・エボ(欧州仕様)

トリムグレードは4段階あり、オススメはエントリーのアドバンス。大容量の駆動用バッテリーが組まれるロングレンジで、2万2000ポンド(約458万円)程度になる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ヒョンデ・アイオニック3 ロングレンジの前後関係

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