中国銘柄へ太刀打ちできる低価格 ヒョンデ・アイオニック3 ロングレンジ(1) Cd値0.26の「エアロハッチ」 注目のエントリーモデル

公開 : 2026.10.28 18:05

EVシリーズのエントリーモデルでエアロハッチと呼ばれる、ヒョンデ・アイオニック3が登場しました。中国銘柄へ太刀打ちできる価格を実現し、「クラスのど真ん中を見事に突く完成度」とUK編集部は評価します。

アイオニック・シリーズのエントリーモデル

多くの自動車メーカーと同様に、ヒョンデの置かれる立場も厳しい。世界市場の激しい変化と、中国ブランドの熾烈な展開で、2026年上半期の利益は一時的に減少したという。それでもヒョンデは、遠くない時期に復調すると予想している。

何しろ、同社は2030年までに生産数を130万台へ増やすという、野心的な計画を掲げている。それまでに、100車種もの新モデルや改良版がリリースされるそうだ。欧州市場にも、41車種が導入される予定にある。

ヒョンデ・アイオニック3 ロングレンジ Nライン・エボ(欧州仕様)
ヒョンデ・アイオニック3 ロングレンジ Nライン・エボ(欧州仕様)

今回試乗したヒョンデ・アイオニック3も、それへ含まれる1台。バッテリーEVのアイオニック・シリーズにおける、エントリーモデルの小柄なハッチバックとなる。欧州市場では、新規顧客を得るうえで重要な役割を負うといっていい。

航続距離やスタイリングなども、車選びでは重要といえるが、インパクトが大きいのは英国価格。EV補助金を引いて1万8495ポンド(約385万円)からと、中国銘柄のモデルと太刀打ちできる水準に設定された。

バッテリーはLFPの42.2kWhかNMCの61.0kWh

プラットフォームはE-GMPの縮小版で、これはヒョンデ・コナなども基礎骨格とするK3のEV版。電動パワートレインは電圧400Vで制御され、リアサスペンションには低コストなトーションビームを採用する。

駆動用バッテリーは、リン酸鉄リチウム(LFP)セルの42.2kWhか、ニッケル・マンガン・コバルト(NMC)セルの61.0kWhという2種類。駆動用モーターは、前者に146ps、後者には僅かに非力な134psが組まれる。

ヒョンデ・アイオニック3 ロングレンジ Nライン・エボ(欧州仕様)
ヒョンデ・アイオニック3 ロングレンジ Nライン・エボ(欧州仕様)

車両と外部機器を電力や通信で結ぶ、V2LやV2Xにも対応。ソーラーパネルが自宅にある場合は、昼間にアイオニック3を充電し、夜間に家電を動かすということも可能だ。

Cd値0.26の「エアロハッチ」

スタイリングは、同クラスではかなり目を惹く側。レトロフューチャーなアイオニック5と並んでも、新鮮さがあり存在感も強い。リアピラーは強く傾斜し、ルーフラインは僅かに弧を描く。フォルクスワーゲン IDポロと比べても、見劣りしないと思う。

ヒョンデは、このアイオニック3を「エアロハッチ」と呼んでいる。クロスオーバーという括りには、当てはめたくない意図があるのかもしれない。空気抵抗を示すCd値は0.26と小さく、空力に優れることを主張する狙いもあるだろう。

ヒョンデ・アイオニック3 ロングレンジ Nライン・エボ(欧州仕様)
ヒョンデ・アイオニック3 ロングレンジ Nライン・エボ(欧州仕様)

最近の新車市場は、SUVばかり。新しいフォルムの選択肢が増えることを、素直に喜びたい。全長は、スポーティなボディキットで飾られるNライン・エボで、4170mm。ホイールベースは2650mmある。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ヒョンデ・アイオニック3 ロングレンジの前後関係

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