新しい生産方法をCX-5から導入! マツダと矢崎総業がサプライチェーン強靭化 ワイヤーハーネス生産の近場化と自動化目指す【自動車ニュースを読む】
公開 : 2026.10.27 07:45
毎日発信されるプレスリリースの中からピックアップし、ジャーナリスト橋爪一仁が分析するコラムです。今回はマツダと矢崎総業が発表した、ワイヤーハーネス生産に関する共創のニュースをピックアップしました。
完成車メーカーと部品メーカーの枠を超えた共創
10月15日、マツダと矢崎総業は、サプライチェーン強靭化と持続可能なものづくりの実現に向け、2022年初旬から車載機器に電力や情報を伝えるワイヤーハーネス生産の『近場化』と『自動化』を目指し共創に取り組み、新しい生産方法を用いたワイヤーハーネスを新型『マツダCX-5』から搭載したと発表した。
自動車の血管とも言われるワイヤーハーネスは車両ごとに仕様が異なり、多くの工程を人の手で担うため、種類増に伴う生産や在庫及び物流管理の複雑化、環境変化等が課題だが、完成車メーカーと部品メーカーの枠を超え、開発初期から知見や技術を持ち寄り対応する。

具体的には、完成車工場の近傍で部品を生産する近場化と、その実現に必要な自動化に取り組み、近場化では安定供給や生産と物流の効率向上、環境負荷の低減につなげて、課題であるコスト競争力も確保する。
一方、人の手による繊細で複雑な工程の置換を設備やロボットの導入だけで自動化するのは難しく、開発初期から連携してワイヤーハーネスの種類数や仕様、構造、製造工程を見直した。
特に製品設計と生産工程を同時に見直す『生産のフロントローディング』では、CX-5のワイヤーハーネスの種類数を先代比で約80%も削減。生産の高度化と効率化を進め、国内生産における競争力を確保している。
日本国内で開発初期からエンジニアが本音で議論
一般論としてワイヤーハーネスに限らず、人による複雑作業の工程が多い生産では、ロボットへの作業置換による自動化が難しいため、主に労務費を抑えられる地域や国で生産され、世界中へ供給される。
今回の共創では、日本国内において開発初期からエンジニアが本音で議論できるからこそ、製品設計と生産工程を同時に見直し、生産の高度化と効率化を高い次元で実現できたからこそ、種類数を削減できたと考えられる。

矢崎総業は、ワイヤーハーネス世界最大手のひとつで、売上は約2兆6千億円(連結)、従業員数は約21万8000名(連結)の規模を誇る。売上はマツダのおよそ半分(マツダは連結で約5兆円)だが、従業員数は5倍に迫る(マツダは連結で約4万7000名)。
一方で、国内の従業員数はマツダの約2万3000名に対し、矢崎総業は約1万8000名とマツダが5000名ほど多く、世界中へワイヤーハーネスを供給する矢崎総業の国内回帰とも言えるマツダとの共創は日本経済にとっても大きく、さらに矢崎総業は世界中で同様に共創の可能性がある。
そして、今回の共創領域がソフトではなく、自動車産業において長い歴史のあるハードで取り組んだ意義も大きく、まだまだハードにおける産業として進化の余地があることも提示している。








































































