ブランド再興を導いた立役者 ベントレー・コンチネンタルGT 3世代を振り返る(1)

公開 : 2023.09.20 19:05

魅力や印象が薄まったと感じることはない

長いドアを開き、車内へ身を委ねると、魅力や印象が薄まったと感じることはないだろう。今回用意していただいた初代が、見事に仕立てられたスーパースポーツ仕様だということも、多少は貢献しているかもしれないが。

このコンチネンタルGT スーパースポーツは、歴代最速の量産ベントレーとして2009年に登場。W12ツインターボエンジンは、630psまで増強されていた。軽量化のため、リアシートは省かれてもいる。

ベントレー・コンチネンタルGT スーパースポーツ(初代/2009〜2010年/英国仕様)
ベントレー・コンチネンタルGT スーパースポーツ(初代/2009〜2010年/英国仕様)

オートマティックの変速は高速化され、高性能なトルセン式センターディファレンシャルと、セラミック・ディスクブレーキが組まれる。自動で展開されるリアスポイラーとピレリのスポーツタイヤが、高速走行を安定させた。

それでも、インテリアはゴージャスなレッド・レザーで仕上げられている。コーナリングを鋭くするわけではないが、特別感を引き上げている。

田園地帯へ伸びる一般道では、コンチネンタルGT スーパースポーツの能力をすべて引き出すことはできない。とはいえ、壮大なW12エンジンを目一杯回すことは、短時間なら許される。

ドライビング体験に完璧なサウンドトラックを放つ。芳醇で毅然。ドイツのテクノ・ミュージックであっても、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで聞けば、違った印象になるのと同じかもしれない。

この続きは「3世代を振り返る(2)」にて

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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