真面目そうなあの会社が、こんなクルマを? 意外過ぎる「奇作」 7選

公開 : 2023.12.30 18:05

・あのメーカーが、まさかこんなクルマを作るなんて!
・世間を驚かせた奇抜な作品、もう二度と見られない?
・高級ブランドの小型車、羽目を外したスポーツモデルなどを紹介。

意外なメーカーの意外な作品

どんな企業であろうと、リスクはできるだけ避けたいと思うものだ。それはほとんどの自動車メーカーも同じである。しかし、時には彼らも「羽目を外す」ことがある。非常に奇妙なクルマを生産したり、大胆すぎるコンセプトを発明したり、そして戦略的なミスを犯したりすることも。

良識的なメーカーがこのような「冒険」をするのは大変面白く、興味深いものだ。今回は、ちょっと意外で驚くようなクルマをいくつか紹介しよう。

一般のブランドイメージとは異なる意外なクルマを紹介する。
一般のブランドイメージとは異なる意外なクルマを紹介する。

ボルボ1800(1961年)

1950年代後半にごく少数生産されたファイバーグラス製ボディのP1900を除けば、ボルボが流麗なスポーツクーペを作るような気配はまるでなかった。しかも、十数年にわたって生産することになるとは、誰が想像できただろう?

1800のデビューは当時多くの人を驚かせた。生産後期には派生型のワゴンボディも追加されている。その後のボルボにも良いクルマはたくさんあるが、1800の繊細なエレガンスにかなうものはなかった。

ボルボ1800(1961年)
ボルボ1800(1961年)

ヒルマン・インプ(1963年)

シンガー・シャモアやサンビーム・スティレットなど、さまざまな名で販売されたインプ。その最大の特徴は、コベントリー・クライマックス社が設計した全合金製オーバーヘッドカムエンジンで、トランスアクスルのすぐ後ろの車体後部に、右側に傾けて搭載された。

ヒルマンの非常にオーソドックスなイメージから考えると、ロールス・ロイスが商用バンを出すくらいの驚きだった。これまで一度もこのようなものを発表したことがなかったし、これからもすることはないだろう。インプがまだ生産されていた頃、ヒルマンは新生クライスラー・ヨーロッパの一員となったが、すぐに瓦解し、1970年代後半にはプジョーに救済されることになった。

ヒルマン・インプ(1963年)
ヒルマン・インプ(1963年)

プリムス・プロウラー(1997年)

クライスラー傘下のプリムスのブランド末期には、消費者を期待させたり興奮させたりするような発表はほとんどなかった。唯一の例外は、古風なホットロッド的スタイルを持つプロウラーで、ミーアキャットの檻にいるキリンのように、プリムスの中では際立っていた。

さまざまな議論を呼んだが、V6エンジンとオートマチック・トランスミッションについて文句を言いたい人が多かったようだ。派生モデルとしてV8も計画されたが、こちらが量産化されることはなかった。

プリムス・プロウラー(1997年)
プリムス・プロウラー(1997年)

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI W12-650(2007年)

高性能なGTIやRを除けば、ゴルフは初代が発売されて以来半世紀近く、真面目で実用的なクルマであり続けている。フォルクスワーゲンは2007年、この絶対的なモンスターを生み出すことで、世間の常識を一時的に覆した。

エンジンは、アウディベントレーで使用される最高出力650psの6.0L W12ツインターボで、ボンネットの下ではなく、通常リアシートがある位置に搭載された。最高速度325km/h、0-100km/h加速3.7秒と謳われていたが、W12-650はワンオフモデルであるため、消費者が体験することはなかった。

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI W12-650(2007年)
フォルクスワーゲン・ゴルフGTI W12-650(2007年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事