【間違いなく素晴らしい】トヨタGRヤリス(最終回) 長期テスト 積極的に走りたい

公開 : 2021.09.11 09:45

英国編集部の評価も極めて高いトヨタGRヤリス。ホットなラリーレプリカを日常使いすることで、クルマの魅力に迫ります。

積算1万8185km 多くの英国人が注目する

text:Matt Prior(マット・プライヤー)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
少し口数が減りそうだ。約1万6000kmをともにした、トヨタGRヤリスが返却されたから。駐車場やガソリンスタンドで、それって新しいアレですね、と声をかけてもらえなくなる。

GRヤリスは、多くの英国人が注目する1台。GRヤリスを話題にしたいと考える人も少なくなく、詳しい情報を知っているようだ。普通のヤリスと、区別が付かない一般人も多いだろうけれど。

トヨタGRヤリス・サーキット・パッケージ(英国仕様)
トヨタGRヤリス・サーキット・パッケージ(英国仕様)

GRヤリスは、ラリーカーを彷彿とさせる3ドア・ハッチバック。261psの四輪駆動で、すべての路面コンディションに対応するスポーツカーへ仕立てるため、通常のヤリスから多くの変更を受けている。

大きく膨らんだフェンダーラインに、低くかがんだシルエット。決して派手な容姿ではないが、どこへ走っても視線を感じる。色鮮やかなスーパーカーのように。純粋に、関心度の高さを示しているのだろう。

筆者に話しかけてくる人は、どんな印象か、続けて聞いてくる。その答えは「間違いなく素晴らしい」。だ。

長期テストが始まる前、GRヤリスはAUTOCARのお手頃ドライバーズカー選手権で優勝を掴んでいる。高価格帯のドライバーズカーに対しても、期待以上に高い評価を残した。詳細テストでも、満点を獲得している。

長期テスト車としてやって来たのは、半年ほど前。濡れたショートサーキットでは、日産GT-Rニスモより優れたラップタイムも残した。これまでAUTOCARで取り上げた回数も多い。

素晴らしい日常の移動手段

毎日の素晴らしい移動手段にもなってくれた。特別なモデルの中には、日常的には乗りたいと思えないモノも多い。しかしGRヤリスは違う。定期点検のインターバルが、9600kmと少し短いくらいだ。

充分にコンパクトだから、市街地でも運転しやすい。最低地上高があり、オーバーハングが短いから、駐車場の隅でバンパーを擦るようなこともない。

トヨタGRヤリス・サーキット・パッケージ(英国仕様)
トヨタGRヤリス・サーキット・パッケージ(英国仕様)

日常の足としてGRヤリスに乗って楽しんでいる、という裕福な英国人カーコレクターもいるほど。充分に納得できる。

長期テストのGRヤリスは、サーキット・パッケージだった。英国では3500ポンド(52万円)の上乗せとなるが、引き締まったサスペンションとトルセン式LSDが付く。ブラックのメタリック塗装は、585ポンド(8万7000円)のオプションだ。

多くの英国人オーナーが選んでいるパッケージだという。しかし、標準仕様のGRヤリスも負けないくらい楽しいことがわかった。路面状態が悪い場合は、標準仕様の方が乗り心地も落ち着いている。

デフの違いから、コーナリング時のラインを調整することは少し難しいかもしれない。しかし、乗り心地が良いのは歓迎できる。筆者が実際にRGヤリスを買うなら、だいぶ悩むだろう。恐らく、別に所有しているクルマの存在に依る。

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