【NA V10有終の美】ランボルギーニ・ウラカンSTOへ公道試乗 50kg以上ダイエット 前編

公開 : 2021.09.11 08:25  更新 : 2021.09.13 07:40

サーキット性能に磨きをかけた、最もエクストリームなランボルギーニ・ウラカンへ公道試乗。見事なグランドフィナーレだと、英国編集部は評価します。

最もエクストリームなウラカン

執筆:James Disdale(ジェームス・ディスデイル)
翻訳:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
現在のラインナップで、ランボルギーニのエントリーモデルに位置づけられるウラカン。そのグランドフィナーレを飾るのが、このSTOとなる。輝かしい歴史を刻んだV型10気筒のミドシップは、電動化技術の進展とともに役目を終えようとしている。

モデルの最後だからといって、湿っぽくならないのがイタリア人。極めて鮮烈な見た目を持つモデルとして登場した。サーキットへ焦点を当てた贅肉のはぎ落とされた仕様で、最もエクストリームなウラカンだといって間違いない。

ランボルギーニ・ウラカンSTO(英国仕様)
ランボルギーニ・ウラカンSTO(英国仕様)

8年間のモデルライフを通じて、ウラカンは興奮に不足することはないモデルだった。最新のSTOは、相当な仕上がりだといっていいだろう。

ちなみに、STOとはスーパー・トロフェオ・オモロガータの頭文字。ランボルギーニが展開する、ワンメイクレース・マシンからヒントを得ている。

それを示すように、カーボンファイバー製のボディパネルを身にまとい、空力的なアップグレードにも余念はない。サスペンションも専用チューニングが施されている。ウラカンのパフォーマンスを追求するうえで、ランボルギーニの心残りはなさそうだ。

ハードコアな性格付けを象徴するように、容姿は極めて鮮烈。軽量なカーボンファイバー製クラムシェル・フロントノーズを備え、アグレッシブなエンジンカバーとリアウイングにも、同じ素材が用いられている。

280km/hで420kgのダウンフォースを生成

フロントガラスは肉薄化され、乾燥重量は1339kgに仕上がっているという。標準的な後輪駆動のウラカンより、50kg以上もダイエットしたことになる。

空力特性も見直され、手動で調整できるリアウイングを最も効く状態にすれば、280km/hで420kgのダウンフォースを生成するという。それでいて空気抵抗は、ウラカン・ペルフォルマンテより最大37%以上も向上させている。

ランボルギーニ・ウラカンSTO(英国仕様)
ランボルギーニ・ウラカンSTO(英国仕様)

究極のウラカンとして、誇らしい数字だ。サーキットを走らない限り、この数字を実感することはできないかもしれないが。

お読みいただいた方もいるかもしれないが、すでにAUTOCARでは、ウラカンSTOをイタリアのヴァレルンガ・サーキットで試乗済み。余分な贅肉が削られ、エアロキットが目に見えない力でウラカンを支え、大きな感銘を受けている。

ポルシェ911 GT3やマクラーレン765 LTに通じる、モータースポーツ・スピリットを体験させてくれた。サーキットでは、高い評価を得ている。

といっても、ウラカンSTOもナンバーを取得する公道モデル。通行人を驚かせるようなカーボン製ボディで、ラップタイムを0.1秒削ることを1番の目的にしているかもしれないが、実際は一般道を走る時間の方が長いはず。

ランボルギーニですら、サーキットを熱心に走行するオーナーは、全体の3分の1程度に留まるだろうと考えているらしい。まあ、コレクターの手に渡れば、ガレージで眠っている時間の方が長くなるのだと思うけれど。

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