まだまだ頑張る現役総編集長の奮闘録

2025.07.17

今回の笹本総編集長コラムは、生まれ故郷の甲府で着々と進行中である、湯村温泉の再開発プロジェクトの一環、『太宰の宿 旅館明治』と『伝説の外湯 鷲の湯』の復活についてです。湯村温泉の新しいシンボルとなった巨大な『ゆ』の字は、総編集長のこだわりでもあります。

【笹本総編集長コラム】信玄の湯 湯村温泉に新築の旅館と外湯ができます

もくじ

甲府とのダブルワークも11年目に
『旅館明治』を再興、8/1にオープン
太宰治が逗留した部屋も再現
『鷲の湯』も新シンボルとして復活

甲府とのダブルワークも11年目に

『信玄の湯 湯村温泉』に再興された『旅館明治』と外湯『鷲の湯』。

AUTOCAR JAPANの編集業務と、実家の甲府の湯村温泉にある常磐ホテルの経営という、ダブルワークをはじめてから今年で11年目になるが、その間、コロナ禍を機に悪乗りし、湯村温泉自体の再開発もはじめてしまった。

何とかしなくちゃと思うと、ついやりすぎるのが私の悪い癖で、気が付くと大事になっていて一瞬驚くのだが、いつの間にか更に拍車がかかるという性格は、若い頃から変わらず、自分で自分に半ば呆れているところだ。

『旅館明治』を再興、8/1にオープン

新築オープンの『旅館明治』の客室(202)。全室にベッドを備える。

という事で、再開発事業の一環として旧旅館を解体し、新築作業を行っていた旅館明治が、遂に8月1日にオープンすることになった。

旅館明治は、明治30年創業という老舗旅館で、戦前には作家の太宰治が逗留したことで知られるが、建物の老朽化が進み、営業が難しくなっていたので、新たにDMOとして設立した『甲府観光開発株式会社』で買い取り、新築することになった。

旅館が減少するばかりであった信玄の湯 湯村温泉にとって、35年ぶりの新築旅館の誕生である。

太宰治が逗留した部屋も再現

旅館明治に併設された『太宰治資料室』は、太宰が逗留した部屋を再現、当時の写真や初版本などの資料を閲覧することができる。

旧旅館の解体に取り掛かったのが一昨年の8月で、それから丸2年の間に建築資材の高騰や人手不足で、費用は大幅に上がり、一時は断念する直前まで追い込まれたが、多くの方々の温かい支援と協力により、何とか完成の目途がついたことは、大変に喜ばしいと思っている。

新しい旅館は、最新の工法を使った木造2階建てで、部屋数は21室。全て洋室である。その内、露天風呂付きの部屋が5室用意されており、更に2世帯の家族や、帰省時の大家族用に便利なコネクトタイプも4室設定されている。

価格は2万円台前半から3万円台までで、新築の割にはリーズナブルな設定になっている。

太宰治の滞在した部屋は、現存はしていないが、写真を元に、可能な限り再現した部屋を作り、そこに初版本や太宰の写真などの資料を飾った資料室を用意したので、太宰ファンには楽しんでもらえると思う。

『鷲の湯』も新シンボルとして復活

湯村温泉再開発の新しいシンボルとなった『鷲の湯』の『ゆ』の文字は、高さ7mにもおよぶ。

また、併設して外湯『鷲の湯』の復活も達成した。この外湯は30年以上も前に営業休止となり、建物だけが残っていたものだが、この度、旅館明治と共に建築することが出来た。柔らかで肌に良い泉質の温泉と新しく清潔な浴室で、ぜひ一日の疲れを癒していただきたいと思っている。

この『鷲の湯』のシンボルとして、建屋の南側の塀に巨大な『ゆ』の字を彫り込んだ。温泉街の入り口側からすぐに見え、あそこが外湯なのだとすぐに判るようにしたのだが、出来上がってみると、記念写真に格好の場所で、インスタ映えもしそうだ。

読者の皆さんもチャンスが有れば、信玄の湯 湯村温泉の新しい施設に訪れていただければ幸いである。因みに訪れた際に、この総編集長ブログを見たと言っていただければ、何かプレゼントをさせていただきたいと考えている。

家族旅行などの際には、ぜひご利用ください。

旅館明治 https://ryokan-meiji.co.jp/

記事に関わった人々

  • 執筆

    笹本健次

    Kenji Sasamoto

    1949年生まれ。趣味の出版社ネコ・パブリッシングのファウンダー。2011年9月よりAUTOCAR JAPANの編集長、2024年8月より総編集長を務める。出版業界での長期にわたる豊富な経験を持ち、得意とする分野も自動車のみならず鉄道、モーターサイクルなど多岐にわたる。フェラーリ、ポルシェのファナティックとしても有名。
  • 撮影 / 編集

    戎大介

    Daisuke Ebisu

    1972年生まれ。学生時代はゲージュツを志すもネコ・パブリッシングの関連企業に就職し、個人売買情報誌クアントや通信販売SCENA、自社広告などの制作に携わる。その中で取材/撮影から執筆/デザイン/編集までを1人で完パケする仕事スタイルを確立し今に至る。現在は甲府は湯村温泉で半ば隠者となりながら、当サイトのスペシャルショップと常磐ホテルSNS更新で命脈をつなぐ。写真機材はクルマメディアの現場では他に出逢わないPENTAX。
 
 

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