クルマ漬けの毎日から

2026.02.02

年末に行われた新型ジャガーGTの市販版プロトタイプの試乗は、助手席での試乗でした。助手席試乗でも、十分な評価は可能でしょうか?

助手席試乗でも、十分な評価はできる!【クロプリー編集長コラム】

もくじ

複雑さから解放 → 冷静に評価

複雑さから解放 → 冷静に評価

年末に、新型ジャガーGTの市販版プロトタイプに試乗する機会があり、いくぶん興奮気味のレポートを書いたが、多くの読者はおおむね寛大に受け止めてくれた。

とはいえ、「助手席試乗だけでは、批評者はそのクルマをあまり理解できないのではないか」といった異論も、多数ではないにせよ、一部に存在していた。

また、幸運にもこの試乗に招待された世界各地からの18人ほどの人たちのなかにも、「今回の試乗は自分で運転していないので、その点を理解してこのインプレッションを読んでほしい」などと、書いている人もいた。

ジャガーの新型GT(市販版タイプ00/プロトタイプ)

しかし、ジャガーのマット・ベッカー(新型GT開発責任者)のように優れたドライバーに運転してもらえば、その試乗を通して、同乗者であっても非常に多くの情報を得られると私は考えている。

自分で運転していれば、一度に押し寄せてくる多数の複雑な情報をすべてその場で処理しなければならない。だが、同乗者であれば、そうした状況から解放されて、次のような重要な疑問に意識を集中させて試乗できる。

・このクルマは快適さを重視したサスペンションの設定でありながら、どのように、そしてなぜ、優秀なボディコントロールが可能なのか?
・超扁平タイヤと巨大なホイールの組み合わせであっても、なぜ走行時にあのように低いロードノイズと、トップクラスの滑らかな快適さを実現できるのか?
・快適さを優先した足回りでありながら、ボディロール、加速時の沈み込み、ブレーキ時のノーズダイブを抑制できるのか?
・このクルマに組み込まれた柔軟性は、なぜ究極のコーナリンググリップに悪影響を与えないのか?

今回の助手席での試乗は、私たち参加者にこういう点をひとつひとつ、冷静に評価する機会を与えてくれた。そして私の結論では、ジャガーの新型GTの市販版プロトタイプは、先に挙げたチェックポイントすべてで「A+」という評価となったのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

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